ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

2005-11-01から1ヶ月間の記事一覧

「あつさのせい」で始まり、「雨のウエンズデイ」まで続いた。

ナイアガラ・レーベル誕生30年を記念して、 河出書房から文藝別冊「総特集 大瀧詠一~大瀧詠一と大滝詠一のナイアガラ30年史」 というムックが発売になった。 ずっと読みたかった「分母分子論」が再録されていてうれしかった。 ここ数日は、大滝さんのファー…

2枚の「バンド・ワゴン」(旧盤再発へ一ファンからのお願い)。

1989年に「Beauty」を加えたので、1975年にも1枚加えます。 鈴木茂氏「BAND WAGON」、この作品もなぜか1976年だと思い込んでました。失礼しました。 75年だと1ドルがまだ360円の時代でしたっけ? 持ち出せるYENもまだ制限されていたのでは…。 はっぴいえんど…

80年代の終わりをEN”JOY”させてくれた山下達郎氏のライヴ・アルバム。

80年代最後のシングル・チャートNo.1は、山下達郎氏「クリスマス・イブ」だ。 元来は83年発売のアルバム『MELODIES』収録曲だが、 JR東海「クリスマス・エキスプレス」CMに起用されたことで、 毎年年末になるとチャート・インするようになり、 89年12月最終…

アッコちゃんは原点回帰!? 「WELCOME BACK」

1987年11月21日『GRANOLA』発売時のインタビューで、矢野顕子さんは 「子供が難しい年齢に差しかかってきたので、しばらく音楽活動を控えたい」 という趣旨のコメントをされた。恒例だった“出前コンサート”も休止となり、 「次のオリジナル・アルバムを聴け…

黒船、再来!? サディスティック・ミカ・バンド「天晴」

サディスティック・ミカ・バンドはティン・パン系なのか?と云われれば、答はNOである。 が、70年代半ば、ティン・パン・アレーと同じように洒落たサウンドを届けてくれたバンド (「洋楽の模倣でなくオリジナルとして消化して提示してくれた」と言ったほう…

そして教授は、世界へ。「Beauty」

すみません。忘れちゃいけないアルバムが、1989年発売でした。 坂本龍一氏「Beauty」。翌年発売だと思い込んでいて、 大貫妙子さん「New Moon」と合わせて90年発売モノで (この2枚を90年の夏によく聴いたもので…) 追加レビューをしようと思っていました。 …

1989年世界音楽の名所旧跡へ。「omni Sight Seeing」が誘うところ。

1989年が、1975年のような特別な年であると思うに至ったのは、 やはりこの方の動向が大きい。 細野晴臣氏、いつも時代の節目で象徴的な活動を行い、ムーブメントの中で重要な役割を果たす。 83年のYMO散開後、細野さんはテイチクと契約、 “ノン・スタンダー…

「DARK CRYSTAL」が開けた扉。

90年代突入を目前にした1989年、ティン・パン系のアーティストが、 個性あふれる快作を届けてくれた。新しい時代の扉を開けてくれた。 そんな快作たちをしばらくご紹介します。まずは、吉田美奈子さん「DARK CRYSTAL」。 「in motion」以来6年ぶり、自主制作…

1989年は、1975年なのだ。

では、予告通り今週は1989年特集をやります。 1989年を語るには、まず1975年の話をしなくてはなりません。 「1975年はスゴイ年だった」というような発言を、 音楽評論家にして大学教授である篠原章氏が 「日本ロック体系」(白夜書房)か「Remember」誌(198…

椎名和夫氏が朝日新聞・経済面に!

驚いた。18日(金)の朝日新聞の経済面に 椎名和夫氏がご登場されています。 「メディアウォーズ」という特集記事で、 TBS・楽天問題等で揺れ動くメディア状況について各界の人が 語るシリーズの第8回。 金曜日忙しくて新聞もろくに読んでいなかったので、 …

早起きした週末の朝、ジョビンを聴きながら。

土日はできるだけPCを見ないようにしているので、 週末は基本的にお休みしたいと思います。 今日は、10時からの細野さんライブ予約と、 (イープラスもぴあも先行予約ダメだった!) ガス機器の修理の方を待つため早起きしたので、 アントニオ・カルロス・ジ…

「昨晩お会いしましょう」に、今夜もお会いしましょう。

重くなってしまった。ちょっとヘビーなことを書いた次の日は、 さらりと軽やかにポップ・ミュージックを楽しもう。 というわけで、晩秋シリーズ第二弾は「昨晩お会いしましょう」(1981年)。 「これのどこが晩秋なんだ?」という声が聞こえてきそうですが、…

「REVELATION」で露わになったもの。

数日前から急に寒くなった。 立冬も過ぎ、そろそろ季節は初冬というべきなのだろうが、 「晩秋」をテーマに紹介したいアルバムが2枚あるので、今日はそのうちの1枚を。 『REVELATION』、2003年に発売された、 吉田美奈子さんの現時点でオリジナル・アルバ…

「SONORITE」そして山下達郎氏へのアンビバレンス。

今日は思い切って山下達郎氏のことを書こうと思う。 この9月にNEWアルバムが発売されたので、すぐにでも取り上げたかったのだが、 ちょっと慎重になっていた。なぜかというと…。 91年「アルチザン」あたりから、 発売されたアルバムそのものよりも、 発売時…

「海辺のカフカ」のコードは…?

今日は小説の話。最後に音楽に着地する。 私は村上春樹氏のファンではない。 かなりの作品を読んでいるが、 1999年「スプートニクの恋人」を読んだ後、 「もうこの人の作品を読むのはやめよう」と決意した。 理由はいろいろあるが、大きな理由は2つ。 ひと…

「Bells」と私の二十年。

六本木ヒルズけやき坂のイルミネーションが今年も始まった。 青色ダイオードが主体のこの電飾たちを、 一昨年だったか公式ページで吉田美奈子さんは とても吉田さんらしく表現されていた。 もうすぐクリスマス、というわけで今日はあの名盤「Bells」について…

美奈子さんのライブが貴重だった最後の年!? 94.12.21恵比寿ガーデンホール

細野さんのチケット、公式ホームページ先行予約はダメだったようだ。 気を取り直して、イープラスとぴあの先行予約にかけよう。 さて、年末のライブといえば、このところ吉田美奈子さんが コンスタントに12月にライブを行ってくれるのがうれしい。 ここ数年…

「海を見ていた午後」を家で聴いていた午後。

風邪をひき、会社を休んで寝ていた。 10月は雨が多かったけれど、ようやく季節が安定したようで、 乾燥したいい天気。ラジオでも聴きながら本でも読むか と、本当に久々にJ-WAVEにチューニングした。 J-WAVEは91~92年ごろ、よく聴いた。 晴れていて突然雨が…

細野さんの歌が聴きたい。

ライブをやるようですな。細野さん(トラックバック参照)。 12/27、九段会館というのが渋いですね。 「HOSONO HOUSE」の楽曲を中心にした、 今年9/4の狭山ハイドパークとほぼ同一メンバーのライブとなるらしい。 先行予約申し込んで明後日に結果がわかる。…

ワイン好き&映画好きには、2005年=グレイト・ヴィンテージ!?

そろそろ、このブログのもうひとつのテーマである映画の話をしてみたい。 来週木曜解禁のボージョレー・ヌーボーは今年も美味しそうだといわれているが、 「ワインが好き」で「映画も好き」な人にとって、 今年はグッド・イヤーなのではないでしょうか? こ…

「若き日の望楼」に感じる匂い。

※いつもアルバム解説だけじゃつまらないので、 ときどきは楽曲にまつわるエピソードを記そうと思います。 大貫さんの楽曲から好きな曲を一曲選べ と云われたら、「若き日の望楼」(1980年「Romantique」収録)を選ぶ。 坂本龍一氏のピアノをフィーチャしたア…

そして、「Cliché」に結実。大貫妙子ブランドの確立へ。

「Romantique」で発芽し、「Aventure」で枝葉をつけたヨーロッパ路線が、 豊かな実をつけたのが、この「Cliché」(1982)だと思う。 「Cliché」とは、「陳腐でありふれた常套句」という意味らしい。 それを「ありふれた日常のなかにある宝物」と逆説的に解釈…

「Romantique」で発芽したオリジナリティに枝葉が伸びた「Aventure」。

ヨーロッパの陰影を描いたのが前作なら、 風光や太陽の輝きを感じるのが今作「Aventure」(1981年)。 最古の女性誌「ハーパス・ビザール」、伝説のサントリン島、ローマのテルミネ駅、 F1フェラーリ・チーム、N.Y.のブリーカー・ストリート等、 詩に固有名…

大貫妙子さんのターニング・ポイント。「Romantique」

まるで10本の短編映画を見ているような。 いや1枚まるごと上質なヨーロッパ映画のサウンドトラックのような…。 大貫妙子さんのターニング・ポイントとなった力作「Romantique」(1980年)。 *このアルバムの制作に実際に携れた方が、 貴重なお話を語ってらっ…