ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

「昨晩お会いしましょう」に、今夜もお会いしましょう。

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重くなってしまった。ちょっとヘビーなことを書いた次の日は、
さらりと軽やかにポップ・ミュージックを楽しもう。
というわけで、晩秋シリーズ第二弾は「昨晩お会いしましょう」(1981年)。

「これのどこが晩秋なんだ?」という声が聞こえてきそうですが、
純粋に発売日(1981年11月1日でした)と、
タイトルに「晩」という文字を使っている(冗談です!)のと、
あと収録曲の季節。

2曲目「街角のペシミスト」の「故郷の冬を歩きたくなる~」
3曲目「ビュッフェにて」の「遠くを流れてゆく山の雪を~」
10曲目「A Happy New Year!」はそのままズバリだから、
「冬」ですね。「晩秋」ではなかった。改めて考えて。

ただ、「夕闇にひとり」の夕闇の中しばらくひとり歩いている様は、
あのサウンドからいってもどうみても晩秋だし、
「街角のペシミスト」だって、あのスティーリー・ダンっぽい音は、
やっぱ秋のクールさだし、「グレイス・スリックの肖像」の音像感は
深まる秋そのものでしょう。

全編を貫くミスティなスピード感が、秋の終わり~冬の始まり
というカンジなのです。私にとって。だから、この時期聴きたくなります。

もちろん「守ってあげたい」のような例外もありますが、
これはこれでいいアクセントになっていると思います。
この曲が久々にシングル・ヒットし、1981年当時で5年ぶりにアルバム・チャートNo.1へ。
以後1995年まで15年間毎年チャート1位を獲得しつづけたユーミン
ここ2日ほど、取り上げた題材をネガティブに料理した感が否めないので、
今日はこのまま終わります。

実際、いいでしょ。ヒプノシスのジャケットも。
ティン・パン系というよりこの時期はパラシュート系といったほうがいいと思うけれど、
そのサウンドも。正隆氏のアレンジも、ユーミンの詩・曲も。
勢いがありますよ。80年代から90年代半ばまで疾走しつづけるエナジーにあふれている。