ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

80年代の終わりをEN”JOY”させてくれた山下達郎氏のライヴ・アルバム。

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80年代最後のシングル・チャートNo.1は、山下達郎氏「クリスマス・イブ」だ。
元来は83年発売のアルバム『MELODIES』収録曲だが、
JR東海「クリスマス・エキスプレス」CMに起用されたことで、
毎年年末になるとチャート・インするようになり、
89年12月最終週でオリコン首位を獲得したのだ。

なぜ、そんなことを知っているかというと、
先日細野さんの記事を書くのでNHKスペシャルの録画VHSを探したときに、
80年代最後のクリスマスを友人たちと苗場で過ごした模様を記録したVHSが出てきて、
そこに映像が残っているのだ。

休日の朝、珈琲を飲みながらスポーツ新聞の記事を読み、友人と話している。
「オーッ、80年代最後のオリコンNo.1は『クリスマス・イブ』だって…」
他にも、このVHSには、夜の買出しのとき、
坂本龍一氏がCM出演していたためビールはサッポロを選んだり、パーティや車中のシーンで
吉田美奈子さん「Christmas Tree」や大貫妙子さん「若き日の望楼」が流れていたりする。

極めつけは、夜酒を飲みながら、達郎氏「ラスト・ステップ」を弾き語りしてるんだ。
次のような前振りとともに…。
「80年代の終わりに相応しく、山下達郎さんがこの10年を総括するような記念碑的
 ライヴ・アルバムを出しました。そのアルバムの1曲目の「ラスト・ステップ」を演ります。
 この曲は、達郎・美奈子のゴールデン・コンビの記念すべき第一作と云われていて…」
恥ずかしくなってきたので、この辺でやめておこう。

2枚組ライヴ・アルバム『JOY』は、1989年11月発売。
ザ・バンド『ラスト・ワルツ』のように、達郎氏弾き語りによるコンサートのアンコール定番曲
「ラスト・ステップ」で幕を開ける。
そして「SPARKLE」から実際のコンサートのように曲が流れ、「RIDE ON TIME
さらにアカペラ「おやすみロージー」まで全21曲。
81年3月11日六本木PIT-INNの「LOVE SPACE」から(聴衆の合唱がいいカンジ)、
89年4月7日宮城県民会館まで、10のコンサートから演奏がピックアップされている。

「LA LA MEANS I LOVE YOU」「GOD ONLY KNOWS」といったライブでお馴染みのカヴァー曲有り、
ナイアガラ・トライアングル「ドリーミング・デイ」、シュガー・ベイブ「DOWN TOWN」有り、
アン・ルイスさんへの提供曲「恋のブギ・ウギ・トレイン」や
竹内まりやさんの「プラスティック・ラブ」も有りと、うれしい選曲。

1980年5月1日発売のシングル「RIDE ON TIME」でブレイクし、
80年代最後はシングル「クリスマス・イブ」がNo.1獲得。
80年代をヒット・メイカーとして駆け抜けた達郎氏。
そんな氏の10年間の、代表曲とライヴの名演と貴重音源がエン“ジョイ”できるアルバムだ。
(尚、「クリスマス・イヴ」は収録されていません)