ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

キリンジは、どんな宮殿で生まれ育ったのだろう?

tinpan19732006-11-23

祝・四連休。休むが勝ち。
年末前の深呼吸。というわけで、
土日に休みがくっついたらやろう!
と思っていたことにトライする。


そのうちのひとつが、
キリンジLiveで聴いた「キャメルのコート」
の曲のタイトルを調べること。
そして、じっくり歌詞を追いながら聴くこと。


『DODECAGON』『ARCHIVE』『FINE』『OMNIBUS』『3』
『For Beautiful Human Life』。
(この昔のカネボウのスローガン、思いっきり和製英語
 アルバム・タイトルにしてしまう自虐さがナイス!だと思います)
所有しているCDの歌詞カードを片っ端から目を通すが、
どこにも「キャメルのコート」という言葉は出て来ない。


おかしい? 通勤の電車の中で幾度となく聴いて、刷り込まれたのに。
だから、キャメルのジャケットを久々に引っ張り出して
Live当日着て行ったはずなのに…。


そうだ! CDじゃなくMDだけで持っているアルバムを調べた。
amed-recさんのレヴューを拝読して、「これは!」と思ったアルバムを
たしかレンタルしたのが始まりだったはずだ。私のキリンジ体験は。
というわけでMDの棚に目をやり、『馬の骨』『47’45”』をピック・アップ。
歌詞カードは(詞を追わなくちゃツマラナイ)
拡大コピーしてあるはず(文字が小さいとタマラナイ)。


あった! 『47’45”』の終わり近くの曲「ダンボールの宮殿(パレス)」だ。
ゼンゼン「真夏に、砂漠で、キャメルのコート」じゃないじゃないか!
「砂漠」という言葉は曲の最初に登場するけれど…。
(砂漠→キャメル、狙ってますよね? 高樹さん)


そうだよ。路上生活者の歌だと、amed-redさんが書かれていたじゃないか。
あの国のことを歌った「恋の祭典」や轢き逃げの歌など、
キリンジの曲の題材の特異さについて記された日に。


半村良『都市の仮面』を想い出した。
たぶん、私が大学に入学して、いちばん最初に読んだ本だと思う。
買った本屋、その時の天気とか情景がパーッと浮かんだ。


仕事が上手く行って自信満々のエリート・ビジネスマンが、
新宿西口を歩いていて、路上生活者を目の当たりにして
彼らへの少々の興味と嫌悪を覚える。
というシーンが導入部で物語が展開していき、
最後にはエリートが路上生活者になるというストーリーだったと思う。
単純な転落物語じゃなくて、その視点と描き方が独特だったはず。


探してみよう。読み返そう。『都市の仮面』。
本棚を整理したいというのも、この連休中の課題だったりする。
ここ数年、年末の大掃除が本棚まで及んでいない。本棚の前に
本やら何やらが積まれていて、それと格闘する前に、格闘技が
始まってしまうのだ(今年は『PRIDE』放送しないみたいですね。大晦日)。
新年が来てしまうのだ。


それにしても、キリンジの、とくに堀込高樹氏さんの詞はスゴイですね。
眼鏡が出来て初めてのまとまった休みでもあるので、
一曲一曲詞をじっくりゆっくり読みたいと思います。

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キリンジで検索して拙blogを訪れてくださる方々が相当数いらっしゃる
ようですので、そのような方々に、にわかファンの私から
最後に質問をさせてください。


Q. キリンジのお二方のご両親は、ご実家は、何をなさっているのですか?


「偉大なる音楽家は、家庭環境が作る」というのが自説・仮説だったりします。
白金の家で蓄音機やSPレコードに囲まれて育った細野さん。
お父さんが河出書房の名物編集者であられた坂本さん。
池袋ほど近くの商店街で育ち
「売れる」とは何かを皮膚感覚で知っている(と思われる)達郎さん。
お父さんが基地関係のお仕事をされていて、幼いころ、家に
白い人が来ると泣いて、黒い人が来ると笑っていたという美奈子さん。


埼玉県坂戸市ご出身ですよね?
どのような環境で生まれ育つと、
このような音楽を作り出せるようになるのか?
興味が尽きないキリンジであります。