ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

季節外れのクリスマス・ソングは、2008年のバースデイ・ソング。

tinpan19732008-06-25

先日のキリンジLive以来、僕のiPodでは
「千年紀末に降る雪は」がヘビー・ローテーションを続けている。


Liveでは終盤に演奏され、季節性を度外視しても
クライマックス部分にこの曲を持って来るあたりに
彼らの楽曲への強い思いを感じた。


「永久凍土」「千年紀末」そんな言葉が発せられたので、
じっくり歌詞を追ってみようとCDを引っ張り出し、
虫眼鏡で歌詞を追う(視力低下もあるが、文字の級数が小さすぎると思う)。


うん。思った通り。深い。
サンタクロースの立場を歌った詞のようであり、
都市の虚飾や、地球の荒廃や、人間の悲哀を歌った
世紀末の狂騒曲だと感じた。
詞の意味を完全に理解するには、文字が小さすぎるし(しつこいな僕も)、
僕は年を取りすぎたし、感じる心は肩や腰のように凝り固まっている。


キリンジの詞を追うたびに、こんなことを感じる。
でも、それが、楽しくもある。
つたない想像力と読解力で、自分なりの解釈を楽しむ。


「永久凍土」か。この言葉に反応したのは、
佐藤亜紀ミノタウロス』を読んで間もないからかな。
あれは、ロシアでも中部、ウクライナ地方の物語だったから、
シベリアのツンドラ(凍土)とは離れているんだけれど、
イメージが重なる。


サンタクロースは、子供たちに「玩具」を贈るのと引き換えに
果たして「何を貰う?」のだろう。
サンタ側のメリット? そんなこと考えたこともなかった。
笑顔、歓喜の表情、そこから導かれる絶対的な愛…?


「土の底に」、「枕の裏に」、どうやら「愛がある」みたいだ。
普段は気づかない、揺るぎなく大きなものに、僕らは突き動かされている。


この季節外れのクリスマス・ソングは、
僕にとって2008年のバースデイ・ソングになった。
僕の誕生日は、6月24日。クリスマス・イブと半年離れた日に生まれた。
南半球でクリスマスを過ごす感覚だ。


♪My Old Friend. 真っ赤な柊の実〜
の代わりに、真っ赤なワインでも一杯、僕はふるまうことにしよう。
♪どうぞ さあ どうぞ〜