名盤の予感。
スゴイ!
今週始めに知人から音源を借りて以来、
一日一回は確実に聴いている。
Thousands Birdies’Legs『Thousands Birdies’Legs II』。
寺尾紗穂さんがヴォーカルを務める5人組バンドの
2年半ぶりの2ndアルバムだそうだ。
寺尾沙穂さんについては以前に当BLOGでも記したが、
シュガー・ベイブの二代目ベーシスト寺尾次郎氏の娘さんであることを知り、
amed-recさんがBLOGに、タワレコ横浜店の店頭ツールで
「声が大貫妙子で、歌い方が吉田美奈子で、ピアノが矢野顕子」
と書かれてあったと記されていて興味をもちソロ『御身』を購入した。
聴いてみて良いと思ったけれど、愛聴盤になるまでには至らなかった。
たぶん、アコースティックっぽさが全面にあふれていて、
そこが音としてちょっと退屈に感じたのだと思う。
ところが、このThousands Birdies’Legsはジャジーだったり
ボサ・ノヴァっぽかったり、R&Bだったりで、サウンドが多彩だった。
楽曲がバリエーションに富んでいた。
寺尾さんの声が吉田美奈子さんっぽく聴こえる。
初期『扉の冬』から『FLAPPER』ぐらいまでの。
アルバム全体から受けた印象は、2000年ごろのEGO WRAPPIN’ の
ようだった。あのグループは夜のイメージだが、
このThousands Birdies’Legsは、時間も空間ももっと広がりがあるイメージ。
MP3時代ゆえか、最近は音を聴いてアーティストや作品を
好きになることが多くなった。私にとってキリンジがまさしく
そんな存在。じっくり詞を追った作品は、まだ10曲あるかないか
だと思う。
『Thousands Birdies’Legs II』も、まず音が好きになった。
そして尾崎翠さんの小説と同タイトルの「第七官界彷徨」だったり、
「ある日目覚めるとクマだった」とカフカみたいなことを言っている
ように聞こえる「クマの朝」とか、詞を追ってみたくなった。
レンタル店で歌詞カードをコピーする
という手もあるがいいトシをしてセコイので、
こんどちゃんとアルバムを購入しようと思う。
まだ三日間ぐらいだけれど、私のこの愛聴ぶりは
荒井由実『ミスリム』のようだ。どちらも2ndアルバムであり、
ひょっとしたらThousands Birdies’Legsのバンド・メンバーは、
00年代のティン・パン・アレーなのかも知れない。
そんな気にさせる、楽曲の解釈に優れ表現力に富んだサウンドを
届けてくれる作品だと思った。