ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

巨人・アンニュイ・太田裕美

tinpan19732006-05-15

ようやく少しだけ5月らしい天気。
「5月はオンガクの国」と称して、
この時期にちなんだ楽曲を
これでもかと紹介するつもりだったけれど、
ここ一週間の気候ですっかり調子が狂った。


雲の隙間から薄陽が射した昼どき、外を歩いていて口をついて出た
メロディーは、太田裕美さん「恋愛遊戯」(先日書いたからかな)。
♪見つめ合う瞳があれば 言葉など要らないんです
 パステルの陽ざしの中で〜
快晴じゃない。曇っているんだけれど陽は射している。
乾いていて湿度は低い。今日のような気候にピッタリの楽曲だと思う。


5月のこのくらいの時期に、太田裕美さんが歌われた曲が好きだ。


75年、(たしか)4月末にシングル発売された「たんぽぽ」。
デビュー曲「雨だれ」ほどヒットしなかったけれど、アンニュイな佳曲。


76年は「赤いハイヒール」(たしか5月21日発売)。
大ヒット曲「木綿のハンカチーフ」の次のシングル。
前作同様、男女の一人が上京して離れ離れになる物語だが、
“はつぴぃえんど”で終わる分、今作の方が好きかも知れない。


そして77年が、この「恋愛遊戯」。
♪走るあなたと 止まるわたしの 透き間へと風が吹きます〜
ボッサだ、カフェ・ミュージックだと騒いでいる方々に、ぜひ
この松本隆筒美京平コンビの曲を再評価していただきたいものだ。


78年は「失恋魔術師」になるのかな? 79年は「南風〜South Wind」?
この辺りから太田裕美さんが遠い存在になっていく。
(「さらばシベリア鉄道」やアルバム『海が泣いている』がイイ!
と、友人が騒いでいる声が遠くで聞こえていました)


太田裕美さんは、たしか春日部のお寿司屋さんの娘さんだったはず。
そして、たしか大の巨人ファン。
(今日は「たしか」が多くて申し訳ないです。事情により裏取りできません)
長嶋選手が引退した直後74年11月のデビューから、
王選手がホームランの世界記録を更新した年77年まで、
私は愛聴していました。とくに5月に発売されていたシングルが好きでした。


春じゃなくて夏じゃない。
今日晴れたと思ったら、明日は雨が降る。
半袖で過ごしたら、次の日は上着が必要になる。
そんな5月のアンニュイさが、太田裕美さんの内面とリンクしているんだ
と思う。