ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

ネクタイの街で思ったネクスト。

tinpan19732007-03-06

ティン・パン・アレーを訪ねて〕第11回


サラリーマンの街、オヤジの街といわれる新橋も、
私にとってはティン・パン・アレーだったりする。


今日、午後から新橋に行く用事があり、
約束の時間まで余裕があったので、
烏森通りをブラリ歩いた。


この通りをもう少し行ったところに、たしかレコード店があったな。
さすがに、もう無いか。


あれは、たしか、1989年の、もう一ヶ月ほど先の4月。
吉田美奈子さん『DARK CRYSTAL』が発売されたばかりのころ。
通りを歩くと、そのアルバムの曲が聞こえて来て、吸い込まれるように
店内に入った。
『DARK CRYSTAL』収録曲以外の、一人アカペラが印象的な短い曲も
流れて来た?


「この曲は何ですか? 新譜には収録されていない曲だと思うのですが…」
思わず店員の方に尋ねると、角松敏生さんのアルバムに提供した曲
「Overture」(『T’s Ballad』収録)だと丁寧に教えてくれた。
久々の新譜だが、山下達郎さんファンの人たちがビビッドな反応を示している
とも話してくれ、ちょっと嬉しくなった。


たしか、この辺り…。
あった。あった。まだ在った。
今日はユーミンの「ハルジョオンヒメジョオン」が流れていた。
春とか夏の季節で切った編集盤が新譜として出るそうで、
今日(正確には明日)がその発売日らしい。
既発曲ばかりでバージョン違いもないので(NEWミックスだそうだが…)、
私が購入する必要は無い。


店を出て、用事のある汐留方面に向かう。
スカイ・ウォークのような歩道から新橋ヤクルト・ホールが目に入った。


山下達郎さん『SPACY』発売記念コンサートが、ここで行われたのは
30年前の1977年の5月だったはず。
初めてこのコンサートでアカペラ・コーナーをやって、
好評だったので恒例化したと何かで読んだ覚えがある。


10年くらい前に仕事でこのホールを訪れて、
同じようなことを思ったな
と、記憶がループ。ちょっとデジャブ。


仕事の合間にフラリ
ほんの数十分のブラリ。
私にはとても貴重な時間なのだと、
一日の大半をオフィスで過ごすようになった今、思う。


美奈子さんの『DARK CRYSTAL』をこの街のあのレコード店で聞いてから18年。
あの頃の思いや想いのほとんどは叶えていた
ということにも気づいた。ちょっとしたサプライズだった。


そろそろ、はじめようか。次のこと。