ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

入梅じゃ、「RAINY WALK」を聴いて、七夕を待とう。

tinpan19732007-06-14

いよいよ関東も梅雨入りらしい。
今年は五月がちゃんと晴れたから、
しばらくは六月の雨を楽しむことにしよう。


♪空を覆うプラチナの雲から〜
山下達郎「RAINY WALK」(1979年『MOONGLOW』収録)。
例年、雨の季節の始まりによく聴く曲だ。
今手元に資料が無いが、この曲はたしか
高橋幸宏D、細野晴臣B。すでにYMOがスタートしていた時期の演奏。
「さすが。きちんとシカゴ・ソウル・マナーの演奏が為されている」
山下達郎氏がコメントされていたのは、2002年RCA-AIR作品が
ボーナス・トラック付きで再発された時の全曲解説文中だったはず。


♪立ち止まると時はそのままクリスタル〜
80年代前半のエポックとなった田中康夫氏の著作
「なんとなく、クリスタル」というタイトルは、この曲から生まれた
というような文を以前書いた。
http://d.hatena.ne.jp/tinpan1973/20060331
世の中のほんのごく一部の
音楽や、広告や、雑誌や、小説や、映画や、ファッションや、人びとから、
感じることのできた先鋭的(前衛的じゃなく)な空気。
それを感じたくて、それを感じることが楽しくて、
10代後半からの毎日があったような気がする。
背伸びもした。失敗もした。追いかけるほど逃げていった…。
しかし、ある種の欲望や渇望は満たされ、血や肉になっていった。
いや、生きるビタミンやサプリメントになったと言うべきか。


この曲は、1980年、山下達郎氏がブレイクしたシングル
RIDE ON TIME」のB面でもあったはず。
“B面がまたいいんだ”、高校2年のとき友人の家で、
この曲を聴きながらそんな会話をしたことを覚えている。


7月の七夕のころ、吉田美奈子さんのバンド編成でのLiveが
STB139である。
“Then?”というコンサート・タイトルから、
さまざまな「あの時」や「あの頃」を想起させる曲たちを
聴くことができるのでは? と思っている。


近年の、河合氏とのデュオや、倉田氏を加えたトリオでのLiveでは、
過去自身のアルバムで取り上げた細野さんやユーミンの曲を歌ったり、
坂本龍一氏と共同作曲の「影になりたい」を歌ったりしてくれている。


そこで、期待したのが、バンド編成Liveでのセルフ・カヴァー。
この「RAINY WALK」なんて、時期的にぴったりで、
詩を作られた美奈子さんの声で一度聴いてみたいと思っていた。


あとは、達郎&美奈子コーラスのひとつの到達点であり、
「七つの海」「女神」という言葉が登場する「SPARKLE」。
http://blogs.yahoo.co.jp/tinpan1973/20781296.html
この曲あたりをLiveで、美奈子さんの声で聴けたりしないかと
淡い期待を抱きつつ、今年の七夕を待つことにしよう。