ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

佳きドラマ 佳き音楽を 使ふ秋

この秋は、TVドラマをよく観ている。

 

一つは日曜夜NHK-BS『一億円のさようなら』。

一男一女を持つ五十代夫婦、子どもの教育費や住宅ローンに追われる日々。

実は妻には四十何億円もの遺産があり…。

脚本も素晴らしいが、原作も素晴らしいんだろうなと思った。

TVドラマとは異なるストーリーらしいが…。

白石一文、初の親子二代の直木賞作家の作品か。弟も作家か。

こんど図書館で借りて読んでみよう。

きっと順番待ちだと思うが、今読みたい本が溜まっているので丁度いいだろう。

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もう一つは月曜夜テレビ東京『共演NG』。

主演含め四組もの共演NG俳優が共演する設定のドラマ。

企画・秋元康らしさが出ている。サントリーとキリン、CMスポンサーも、

普通は同業のため同時提供はあり得ないが、こちらも共演している。

表記順がサントリー→キリンの順番になっている。

五十音順でもアルファベット順でもキリン→サントリーだが、

逆なのは金額多少の順かな?

(知人曰く一週間ごとに表記順が変わるらしい)

今日のドラマ内で缶コーヒーを飲むシーンが二度ほどあったが、

あれはどちらのメーカーのものだったろう?

(こちらも一回ずつ分け合っていたりして)

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このドラマ、どちらも音楽が素晴らしい。

 

『一億円のさようなら』、劇中ピアノだけでシーンを彩る曲が二曲あると思うのだが、

どちらも印象的で、エンディングに流れるテーマ曲と併せ

タダモノじゃないと思ったが、案の定FOX CAPTURE PLANだった。

そう言えば2017年のTVドラマ『カルテット』も、音楽がイイと思ったら、

FOX CAPTURE PLANだった。

FOX CAPTURE PLAN、2016年『東京JAZZ』のテレビ放送を観て好きになった。

ライヴに行きたいとずっと思っていて、でもスタンディングは嫌だったのと忙しかったのとで、2018年ブルーノートでやったときようやく生で聴くことができた。

 

『共演NG』はオープニングで流れるテーマ・ソングの声を聴いた途端、

「あ、キリンジだ!」と思った。「キリンジ」は兄弟グループ時代の呼称で、

兄の堀込高樹が引き継いだ今の呼称は「KIRINJI」と表記するらしい。

とにかく、この声。いい声だと思う。劇中音楽も担当しているそうで、

そこかしこでKIRINJIらしさがあふれていると思う。

キリンジ、このブログを始めて、ブログで知り合った人たちがリコメンドしていて、

好きになって、2006~2010年ごろよく聴いた。

「雨を見くびるな」「Lullaby」「ダンボールの宮殿」「千年紀末に降る雪は」…。今でもたまに聴く。

 

イイなと思うTVドラマは、タダモノじゃない音楽を使っている。

主題歌も劇中音楽もトータルで任せているのがイイ。

主演スターや有力事務所やレコード会社のゴリ推しタイアップが主題歌だったりすると、それだけでドラマ総体のクオリティが下がってしまうと思う。

 

そう言えば、ユーミンも、この秋、映画にTVドラマに主題歌を書き下ろしていて、

山下達郎も、ここ数年「ナミヤ雑貨店〜」とか「レシピ」とか相変わらずのペースで提供している。

 

主題歌タイアップは、ドラマsideやスポンサーsideから相当厳しいチェックは入ると思うが、詞のモチーフや曲のイメージを規定されるという点で、

キャリアの長いアーティストにとっては曲づくりにプラスの面が大きい気がする。

(露出効果ももちろん)

 

この辺り、改めてじっくり書いてみたい。

今、多少時間があるのと、ある意図があって、しばらくはコンスタントにブログを更新しようと思っているので、ある方面の方々、ご期待ください。