ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

距離のメロウネス。

tinpan19732008-01-21

今朝、目覚めてカーテンを開けるのが、
楽しみだった。開けたら白い世界!
のはずだったけれど、曇って寒そうな
グレイの景色がただ広がっているだけだった。
天気予報の雪は、どうやら外れてしまったようだ。


TVを付けてニュースを見る。
低気圧が想定より南を通過したらしい。
湿度が思惑より高かったためらしい。
日本列島を西から雪化粧させた低気圧は、
小田原あたりまでと房総半島の一部を白銀にするだけで
離れていってしまった。


皆さんのエリアはどうだったのだろう?
SCRAPSさんのところは雨だったらしい。
popholicさんのところには記述がない。
弾鉄さんのところは…?
私がしょっちゅうオジャマするBlogのオーナーの方々は、
日本全国さまざまなエリアにお住まいで、
この方たちの天気に対する記述を読むのが、密かな私の楽しみである。


天気の感じ方が音楽している
というか、さりげないのにユニークで、なにげないのにオリジナルな
気がして、気象を綴りつつも心象を語っているように感じるのだ。
天気や風景をどう描くか?
は、私が音楽や小説に求める重要な要素である。


♪あなたの街を濡らす雨はもうすぐここまで来る
松任谷由実シンデレラ・エクスプレス」(1985年『DA・DI・DA』収録)。
1981年からユーミンのツアーの演出を担当された
黒田明氏というCM演出家として著名な方が、
日曜日の夜の東京駅の恋人たちをテーマに曲を作ってほしいと
ユーミンに依頼して作られたといわれる一曲。
遠距離恋愛の恋人たち、週末をいっしょに過ごして、
日曜日の最終新幹線で赴任地に帰る男性とそれを見送る女性。
当時、TBSの情報番組でも特集された。
アルバム『DA・DI・DA』が発売される直前、85年11月のこと。


この数ヶ月前、月刊『PLAYBOY』のインタビューでも、
松任谷由実さんは次のように語っている。
「中距離感覚が好き。
 鎌倉あたりの友達と電話で話していて、
 『今こっちで雨が降っているから、もうすぐそっちも降るよ』
 と言われて、しばらくすると東京が集中豪雨になったり…」


「シンデレラ・エキスプレス」は中距離なのか遠距離なのか、
どこを基準にするかで変わってくるけれど、
“距離感”というのは、それだけで心のメロウネスをくすぐる気がするのは、
この楽曲が奏でる80年代初頭のAORっぽいソフト&メロウな
メロディーとサウンドのせいだけではないはずだ。