ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

アフリカの雨。

tinpan19732008-08-31

いつもの年の秋の長雨シーズンとは
雨の降り方が違う。


秋雨前線なのかも知れないけれど、
前線の北の高気圧と南の低気圧の落差が激しいのだろうか。
シトシトとかザーザーなんてもんじゃない。
一日に一度スコールが来ているようだ。
雷もよく鳴っている。


台風が通り過ぎるときのような雨の量が毎日、
東北から九州まで降りまくる。
ニッポンは亜熱帯になってしまったのかも知れない。
地球温暖化の影響?
キリンジ「雨を見くびるな」をここ一年ぐらい聴きまくったせい?


夏前から外を走る楽しさに目覚め、
ジムのランニング・マシンとは足と心に与える影響が違うことに
喜びを見い出し、とはいえ真夏の真昼に走るのも熱中症と紫外線が
恐ろしいので、朝か夜、涼しい時を見計らって、忙しさの谷間に
走ることが好きになったのに、これじゃ走れない。


仕方ない。ここに気持ちを晒け出して、
窓の外の激しい雨に洗い流してもらうことにしよう。


♪ゼブラの群れは煙り、濁る川は歌い
 私は裸足になり 愛へ駆けてゆく〜


Oh! 地球規模の水の循環というか
スケールの大きな雨の歌を思い出した。


♪天は大地に注ぎ 大地は天に溶け
 私は腕を広げ 世界抱きしめる〜


こんなフレーズもあったと思う。
松任谷由実「SALAAM MOUSSON SALAAM AFRIQUE」。
1984年のアルバム『NO SIDE』のオープニングを飾る楽曲。


このアルバム以降、ロサンゼルスWestlake Studioでの録音が
レギュラー化した。松任谷正隆氏が当時クインシー・ジョーンズの音が
お好みで、ミキサーにMatt Fogerを起用したレコーディングが
約15年続くことになる。


傍から見ると、連続的で変化のないように見えるユーミンの活動の
ひとつの節目。
アフリカをテーマにした楽曲をアルバムの一曲目に持ってきたのが
象徴的に感じられる。


80年代半ば、世のクリエイターたちの目は確かにアフリカを向いていた。
アフリカの画家ムパタの展覧会がたしか西武百貨店かPARCOで開催され、
雑誌BRUTUSでもよく特集が組まれ、
この頃BRUTUS編集長でもあられた小黒現ソトコト編集長は、
アフリカ・ケニアにやがて会員制ホテルをOPEN。


キング・サニーアデが『MUSIC MAGAZINE』で良く取り上げられていたのが
この前年の1983年で、ユッスー・ン・ドゥールがピーター・ガブリエル絡みで
ブレイクするのはもう少し後の80年代後半。
そんな時代の曲だ。あれから、もうすぐ四半世紀。
アフリカの草原に降るような雨が、ニッポンの大地に降りそそいでいる夏の終わり。