ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

純邦楽のKYLYNか?カクトウギか?

tinpan19732009-05-15

あっという間に一週間経ってしまったが、
先週の金曜日Bunkamuraオーチャードホール
林英哲コラボレーション・ライブ2009
を聴きに行った。


林英哲さんというお名前は、
ニューヨークのカーネギーホールで大好評のライブを行ったことや、
ピアニスト山下洋輔さんとコラボレーションされたことが、
何となく耳に入ってきて私は知覚したのだと思う。
お名前は知っていたが、ライブを拝聴するのはもちろん初めて。


太鼓、打楽器の音そのものは、実は私はあまり反応しなかったりすると
思っていたのだが、聴きに行ったら違った。
いや、でも、やはり、尺八や津軽三味線とのデュオやトリオに
より心が動かされた。
津軽三味線上妻宏光さん。
尺八は藤原道山さんだった。


聴いていて何を感じたかというと、
それはもうズバリ、
純邦楽のカクトウギ・セッション」あるいは「純邦楽のKYLYN」。


林英哲さんが、1980年ごろの村上“ポンタ”秀一さんに見え、
上妻宏光さんは、同じく80年ごろの渡辺香津美さんに見えた。
藤原道山さんは、管楽器ということで清水靖晃さんに無理やり思った。
そうすると、教授は? アッコちゃんは?
という、そう、クロス・オーバー、フュージョンという言葉が市民権を
得た1980年ごろ、ロックとジャズの垣根を取っ払い活動した
凄腕ミュージシャンたちのユニットやセッションの熱気と同じものを、
あれから30年近くたった純粋邦楽の担い手たちのコラボレーションに
感じたのだ。


真言宗豊山派のお坊さんたちの声明とのデュオもあった。
この方たちとの声には、80年代終わりのブルガリアン・ボイスを
感じた。
日本舞踏の尾上青楓さんとのセッションもあった。
この舞台美術や演出は、ユーミンのコンサートを感じた。


純粋邦楽、NHKのど自慢やどこかの村祭とかで
自分に意志に反して耳にしてしまったものには
カンベン!と感じるものがあるけれど、
ちゃんとした人のちゃんとした人の演奏を聴くと、
心は揺れ震え動くのだと実感したFriday Nightだった。