ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

心地良い違和感。

tinpan19732011-02-24

武部聡志×吉田美奈子
興味深い共演が実現。


昨年10月、平安神宮のイベントで出会ったのがきっかけらしい。
その後12月25日美奈子さん恒例の鎌倉・歐林洞ギャラリーサロンでの
クリスマス・コンサートでお二方のデュオが実現。
「行きたい」と思っていたがチケット発売日の12時ごろ
Webをのぞくと早くもSOLD OUT。


次の機会を待ち、ようやく2月20日
上野の東京文化会館で聴くことができた。


東京文化会館小ホールは、たしか松本隆×千住明新作オペラ「隅田川」以来。
とにかく音の響きがいいホールという印象。


まず武部さんが登場し、オリジナルのインスト曲を披露。
つづいて美奈子さん登場。武部さんのR&Bっぽいゴスペルっぽいイントロが
流れる。曲は?「Liberty」だった。
うれしい。今日は、初めて吉田美奈子を聴く人といっしょだ。
今日のライヴの内容からして、ビギナーに優しい選曲では?と思い
誘ったのだが、つかみはバッチリ!

「時よ」もやってくれた。中澤信栄さんのコーラス有りで。
一昨年のブルース・アレイで一度共演されたとき、
いいハーモニーを聴かせてくれたのでこの日も楽しみだった。


露崎春女さんとのデュオでは、予想通り
「(You make me feel like a)Natural Woman」。
NHK『SONGS』の前身の音楽番組で共演され、
キャロル・キングのこの名曲を圧倒的にカヴァーして、
今日もやってくれると思っていた。
キモチ良かった。


天井高いホールのせいか「CORONA」「Footsteps」という
宇宙モノも聴けてうれしかった。
圧巻だったのは、アンコール一曲目「星の海」。
マイクを外し、武部さんの生ピアノと美奈子さんの生ヴォーカルのみ。
心が震えた。イイものを聴かせてもらった。


武部さんのピアノと美名子さんのピアノ。
全体の印象として、私は違和感を覚える。
しかし、その違和感は不快なものでなく心地良いもの。
フシギな化学反応が起きていると思う。


私にとって武部さんのピアノはやっぱりユーミンの音に聞こえる。
ユーミンの1980年「ブラウンズ・ホテル」ツアーに初参加し、
1983年「Reincarnation」ツアーからは全ツアー参加されている(はず)。


ユーミンサウンドに美奈子さんのヴォーカル。
ある種1973〜76年ごろっぽい。
ユーミンのカヴァーなんてのも聴けたら面白いと思ったりした。


武部聡志×吉田美奈子
頻繁は難しいだろうけれど、これからも
稀には実現するコラボレーションのような気がする。


また聴きたい。この違和感をもっと明確な言葉にできる日まで。
それから、中澤信栄さん、露崎春女さんのような
きちんと歌える人とのコラボレーションも続けていってほしい。