ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

地デジ、Ust…。音楽番組はもっと面白くなれる。

tinpan19732011-06-23

WOWOW細野晴臣HoSoNoVaコンサート」。
知人にDVDに焼いてもらい今観終わった。
いい番組だと思った。


コンサートの合間に、出演者のインタビューを入れる手法は結構あり
ライヴ感が失われ失敗する例も見受けられるが、
この番組は上手く行っていると感じたのは、
インタビュアーが川勝正幸氏だからか。あるいはコメントを発する人びとが、
細野さん以外にも、林立夫鈴木茂佐藤博矢野顕子…というお歴々だからか。


メンバー構成から、どうしても2000年Tin Panコンサートが頭をよぎるのだが、
あのテレビ放送(たしかNHK BS)では出演者だけでなく
聴衆のインタビューが結構な秒数を割いてオンエアされ、それが
「今聴いても古くない」とかのステレオタイプのものばかりで、
“頼む。この聴衆インタビューの分一曲でも多くオンエアしてくれ”と
思ったものだ。そういえば、2001年か2年の国際フォーラムでの
鈴木慶一矢野顕子大貫妙子奥田民生宮沢和史“Beautiful Songs”コンサート後、
「放送に使う可能性がある」という前振りでマイクを向けられ、
“聴衆のインタビュー流すより、一曲でも多くオンエアを。そう思うファンは多いはず”
と答えた覚えがある。


先週土曜日はNHK教育(ってもう言わないんでしたっけ?)
佐野元春「ソングライターズ」に、待ってましたのキリンジ・ゲスト。
佐野氏がまず二人のバックグラウンドを聞いてくれたことが有り難かった。
出身大学、親がどんな人だったか(どんな家庭、どんな音楽環境で育ったか)。
そのアーティストの音楽性に、意外とこの辺りが大きな影響を与える気がするし、
キリンジに関して僕はこの部分が大きな「?」で、このBLOGにもその辺りを
記したことがあったと思う。


あとは取り上げられた詞。「エイリアンズ」はわかるけど、
「ハピネス」「悪玉」「地を這う者に翼はいらぬ」とか、
へーッ、そうかと思った。新鮮だった。次の日、電車の中で改めてこれらの曲を
iPodで聴いてみた。詞もじっくり読んでみようと思い、これはまだやってない。


「文学的」と「文学」に関する言及もあり、さすがのコメントだったが、
“他に形容する言葉は無いのか!”ぐらいのことを言ってほしかった気もした。


最後はやはり先週土曜日、BS11小原礼×尾崎亜美「音のおもてなし」に
大貫妙子ゲスト出演。旧知の間柄らしいリラックス感が伝わってきた。


いちばん印象的だったのは、尾崎さんがソロ・デビューするころ、
プロデューサーだった松任谷正隆氏が尾崎さんに
「日本にもこういう音楽があるんだよ」とシュガー・ベイヴを薦めたという
エピソード。別に不思議ではないけれど本人の口から聞くとリアリティを感じた。


あとは小原・尾崎ご夫妻がどのような司会ぶりを見せるのか?
興味深かったが(なんせ、大貫さんのBLOGでこの番組の存在を初めて知った)
ほぼ想像通りだった。


三人によるセッション「横顔」「a life」も良かった。
この秋、林立夫鈴木茂小原礼による“スカイ”が再結成されて、
そこで大貫さんが歌う話があるようだ。
これはたしか大貫さんブルーノートLiveで聞いた話。実現したら楽しいな。


以上、この一週間に観た三つのテレビ音楽番組の感想を駆け足で。
地上波、BS、CS、WOWOW…。チャンネルがこれだけ増え、
片やU-StreamにYou Tube…。
画期的な音楽番組が生まれる可能性は今かなり大きいと思う。