ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

「ライブドア」の儚さ、『天国のドア』の深さ。

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88年リクルート事件の江副氏のようになるのだろうか?
今回の「ライブドア・ショック」(早くもこんな呼称が生まれた)の堀江社長は…。

システムの処理能力を超える恐れがあるため取引停止。なるべくまとめて売買しましょう
って、東証さんもおかしいと思う。年末のみずほ証券のときも唖然としたけれど…。

ブームの渦中の例として、昨日はYMOを取り上げてみた。1979年末から81年始め。
とすると、今日はユーミンかな。80年代終わりにメガ・セールス時代を迎え、
ピークは90年末発売『天国のドア』。たしか200万枚突破が事件となったと思う。

バブル経済のピークと重なり、その象徴として語られたり、
「広告代理店にアルバム・コンセプトを立てさせている」とか
(代理店が作る“コンセプト”が百発百中なわけがない!)
デニーズで若者たちの話に聞き耳を立てて詞にしている」とか、
(それだけで詞が書けたら、私だって作詞家になっている!)
ツマンナイことを書き立てられたと思うが、ブームってきっとそういうことなのでしょう。

肝心要の音楽面があまり語られなかったのが、今振り返るにちょっと悲しい。
88年『Delight Slight Light Kiss』、89年『LOVE WARS』のシンクラヴィアを前面に
フィーチャーしたサウンドは、今聴くと“ちょっとカンベン”なチープな音
(これがバブルの時代にマッチしていたのかも知れない)
なのだが、この90年『天国のドア』になると、だいぶ音が落ち着いたというか
デジタルの安っぽい音が深みを増したと思う。

「Glory Birdland」のサウンド、とくに間奏部のJAZZYなところがイイ。
あとは「満月のフォーチュン」のチャイニーズっぽい、細野さんが「北京ダック」等で
やられていたことを松任谷正隆氏流に消化したようなサウンドも興味深いし、
「ホタルと流れ星」のデリケートさも「ようやくデジタルでこういうことができるようになった」
という感じがして好きだ。

あ、そうそう、タイトル曲「天国のドア」では久々に(たぶん当時で7年ぶり)
鈴木茂氏のギター・ソロが聴けて胸躍ったものだった。

昨日のYMOにしても、今日のユーミンにしても、
“ブーム”の渦中でもやることをやっている。きちんとしたクオリティの作品を届けている。
そこが違うんだ。他の分野の“ブーム”の人と。
それから同じ音楽分野でも他のアーティストたちと。