ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

僕の今の”vs”。

tinpan19732011-01-27

今週あるセミナーで、エコデザイン宣言で有名な
東京大学名誉教授・山本良一氏の話を聞く機会があった。


宇宙には大構造があって、46億年の地球の歴史、38億年の生命の歴史、
5回の人類激減期があって、幸運に幸運が重なって現在の私たちがいる。
今、1日に400種類の生命が絶滅している。
天台宗道元、中国人の思考様式・天人合一、西洋の神学、宗教と科学…。
残された時間は少ない。亜硫酸ガスを成層圏に注入する。
ビル・ゲイツの研究所…。
さまざまな興味深い話が聞けた。
(自分のメモのために箇条書きします)


持続可能な未来をつくるために、私たちは何をしなければならないか。
残された時間は少ない。
要約すると、こんなテーマのお話だった。


一方で、糸井重里氏がTwitterで絶賛されていた本
『繁栄〜明日を切り拓くための人類10万年史』(マット・リドレー著)
を読んでいる。
原題は『The Rational Optimist』、
“合理的な楽観主義”とでも略すべきか。


「経済崩壊、貧困拡大、環境汚染、人口爆発……。
 メディアを席捲する知識人は、われわれ人類は今にも破滅に向かうと
 日々嘆く。 だが実のところ、こうした悲観的未来予測は
 200年前から常にあったのだ――ほとんど外れてきたにもかかわらず。
 各種データを見れば、事実はまったく逆だ。「今」ほど最高の時代はない…」
amazonの内容説明より)


まだ、上巻の100ページぐらいまでしか読んでいないが、
マット・リドレーの本と山本良一氏の話は、
現在へのスタンスが正反対な気がしてとても興味深い。
片や現状否定、片や現状肯定。
ただ、いずれも、その理由にしっかり筋が通っている気がして、
自分はどんなスタンスをとるべきなのか?考えてみたくなった。


『繁栄』、翻訳いや日本語がちょっと拙い気がするのと、
言ってることがちょっと重複する気がして、
実はちょっと飽き始めていて、
(私は自己を肯定・正当化しようとするとき「ちょっと」を良く使う)
大河ドラマが『江』、戦国時代になったことだし
知人が傑作と言っていた『のぼうの城』(和田竜・著)に
浮気しようかと思っていた。


ところが、セミナーの山本良一氏の話が面白くて、
今読みかけている『繁栄』は、この方の話と対極のスタンスに感じられ、
実際のところどのような歴史観に貫かれているのか?
知りたくて、たまらなくなった。
そんなわけで今、通勤電車の中で読書する片道30分が
愛おしくてたまらない。