ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

新譜を聴いて、夏が来る。

tinpan19732010-06-17

山下達郎シングル「僕らの夏の夢」「希望という名の光
「ずっと一緒さ」「街物語」を購入した。


日曜夜のTBSドラマ「新参者」が思いのほか面白くて、
その主題歌「街物語」がまたバッチリはまっている気がして
ちゃんと聴きたいと思ったのと、
初日と最終日に行く予定の今夏のライヴの予習を兼ねて、
どうせなら近作シングルをまとめて揃えておこうと思ったのだ。


いや、いいですね。「街物語」。
この種のマイナー調のちょっと憂いあるメロディーというのは
この種のTVドラマに凄く合っている気がするし、
夏前のこの時期の気候にも合っていると思う。
1990年の今ぐらいの時期、やはりTBSドラマの主題歌
「エンドレス・ゲーム」を聴いたときも似たような感想を持ったっけ。


加えて詞の世界。
♪この街の物語になっていく
♪物語は続いていく
市井の人びとの日々を街の視点で描いていて、その視線の優しさは
名曲「蒼茫」(1988年『僕の中の少年』収録)のようであり、
♪街の灯が輝き増す度に 魅せられる程の物語がある
(「Christmas Tree」1986年『Bells』収録)
♪幾つもの物語がまた創造られる 素敵な街のGrace
(「Graces」1996年『KEY』収録)
街の灯りや風の煌めきから、街の物語を巧みに描き出す
吉田美奈子の詩のようであり…。


松任谷由実「ダンスのように抱き寄せたい|バトンリレー」も購入した。
こちらは詞を細かくはまだ追っていない。
ラジオか何かで流れているのを聴いていい曲だなと思ったのと、
タイトルに惹かれた。


曲のタイトルが「○○○たい」というシングルで、
しかもドラマや映画の主題歌だと
ユーミン・ブームができあがるのだ。


1975年「あの日に帰りたい」
=TBSドラマ「家庭の秘密」主題歌(秋吉久美子・主演)
 第一次ユーミン・ブームへ
1981年「守ってあげたい」
角川映画ねらわれた学園」主題歌(薬師丸ひろ子・主演)
 第二次ユーミン・ブームへ


ドラムが林立夫さんで、しかもレコーディング時にドラムのスティックを
落としたりすると完璧らしいが、今回のドラムは林さんではないようだ。
あとは主演が、上記はいずれも当時を代表する女優さんだったが、
今回は中井貴一さん。これが、どう出るか?


それにしても、ユーミンタツローの新譜が出て、夏が来る。
二十歳前後の自分なら、それだけでたまらなく幸せな夏だったはずだ。
自由な時間がありまくったから、クルマの中で何度も何度も聴きまくって…。
いろんな風景や状況とセットになって、
曲にまつわる記憶が紡がれていく。
四十代後半の今は、満員の通勤電車で聴くことぐらいしかできない。
でも、そうして、僕の物語は続いていくのだ。
♪AND THE LIFE GOES ON
 AND THE LIFE GOES ON…


優秀なポップ・ミュージックは、現実を肯定してくれる。
その肯定の仕方が、さりげなくて、なにげなくて、 
研ぎ澄まされていないと…。
この思いは何十年経っても変わらないはずだ。きっと。