ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

涙は、夢と現実の間を流れる? 今と過去の間を流れる?

tinpan19732009-12-28

26日(土)待ちに待った
Ryuichi Sakamoto Playing The Piano featuring Taeko Onuki”を
聴きに東京国際フォーラムへ。


MC無しで数曲、教授がソロ演奏の後、大貫さん登場。
教授がイントロを奏でる〜♪
この曲は…? 「色彩都市」だ!
1982年アルバム『クリシェ』収録の坂本-大貫コンビのひとつの到達点。
ピアノ1本のアレンジも楽しい。


そしてNHK懐かしい未来」のテーマ曲。
坂本美雨さんが歌った奥田民夫・作詞、坂本龍一・作曲の曲。
坂本・大貫コンビの90年代の曲「Tango」とつづいた。
一度、大貫さんは下がり、再登場して名曲「風の道」「突然の贈りもの」。


目の前で繰り広げられていることが
現実じゃないように感じられた。


ジ〜ンとした。ナミダした。しかしナミダがあふれて止まらない
ということは無かった。この共演が、そうだな、
ティンパン系のこの方たちの音楽やバックグラウンドへの私の関心が
高まるのと反比例するかのように、この方たちの横のつながりが希薄になった
80年代後半から90年代半ばにかけて実現したとしたら、
全く違う感想を持ったに違いない。


願いつづければ夢は叶うと思った。同時に、
思いつづけた夢というのは案外簡単に叶うものなのだと感じた。
来年はぜひ、山下達郎-吉田美奈子の共演を体験したいものだ。


坂本-大貫コンビの演奏曲は、日替わりメニューだったらしい。
色彩都市」「突然の贈りもの」は十分予想できた。
「風の道」も演るんじゃないかなと思った。
日によっては「新しいシャツ」もあったのかな?
「黒のクレール」はどうだろう?


個人的に聴いてみたかったのは
「若き日の望楼」と「からっぽの椅子」。
「若き日の望楼」のイントロをアルバム『ロマンティーク』(1980年)の
フレーズに忠実に教授が演奏してくれたりしたら、
瞬間にナミダがあふれ出たことだろう。


「からっぽの椅子」は、今年会社を辞められた先輩から
シュガー・ベイブ解散コンサートのお話を伺う機会があって、
(一部記憶が曖昧です)
この曲をアンコールで歌われたとお聞きして、
無性に好きになった曲だ。
解散コンサートのアンコールには教授と伊藤銀次さんらが登場して
「幸せにさよなら」等を演奏したらしい。
この「からっぽの椅子」は大貫さんがピアノ弾き語りで披露して、
途中で歌詞を忘れる等のハプニングがあったらしい。
アルバム収録は2ndソロ『サンシャワー』で、
途中からホーンが絡むあのアレンジもいいけれど、教授のピアノでしっとりと
というのも、00年代終わりっぽくていいのでは?と思う。


この夜の教授ソロは、「ラスト・エンペラー」「アモーレ」等
マイ・フェイバリット・ソングを演奏してくれた。
「Energy Flow」も10年経って聴くと90年代終わりを感じた。
春のソロ・ライヴで演奏して好きになったモリコーネ「1900年」を
再び聴くこともできた。


そして最後、「Merry Christmas Mr. Lawrence」。
いろんな編成、いろんなアレンジで聴いた覚えがあるけれど、
レコードやCDやカセットやテレビやラジオやビデオやDVDばかり。
初めての生“戦メリ”。イントロを聴いただけでグッと来て、
途中何度か鼻をすすった。泣いていること、
隣の同行者に気づかれてしまった。