ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

靖国とスモーキー。

tinpan19732009-11-30

この週末も、直面する仕事の処理と
所有する資格の更新のため、のんびりできず。


日曜日は、九段下界隈にいた。
皇居のお堀周辺の紅葉が綺麗だったので、
昼休みを利用して見に行った。


そうだ。どうせなら…、
靖国神社に行ってみようと思った。
朝、歩きながらチラリ目をやるとイチョウが見事に色づいていた。
あと十数分時間はある。


平年よりやや低い気温。晴れというより曇りに近い天気。
お堀沿いの道を神社に向かい歩く。


靖国神社を訪れるのは生まれて初めてだった。
政治的に思想的に距離を置くなどということは全く無く、
ただ単に縁が無かっただけだ。


ここ数年、特に関西方面の著名な寺社仏閣を訪れることが多く、
そんな気持ちで、つまり「物見遊山」「観光」というようなスタンスで、
靖国神社に対峙することができた。


ここ数年の、そうだな…、比叡山出雲大社らが持つ雰囲気と
似た空気を感じた。何故か背筋は伸び、気持ちは引き締まり、
亡き父や母を想った。ここ数ヶ月付きまとわれている忙しさや慌しさなんて
大したことはないと思えるようになった。


それにしても、参道の脇のイチョウの見事さよ!
今年は、たまに行く神宮外苑イチョウも、
いつも行く大岡山の東工大イチョウも、
走りながら垣間見る駒沢公園イチョウも、
まだ見ていない。このまま季節が過ぎるのかな…。


そんなことを思いながら、鳥居の外に出る。
iPodをセットする。
知人から借りたばかりの
スモーキー・ロビンソンの新譜が流れ出す。
『Time Flies When You’re Having Fun』。
皮肉なタイトルだな。今の自分には。
いや、この、わずか10分間なのに濃密で心洗われた
靖国詣でに相応しいタイトルじゃないか。


とりあえず、このジャケット・デザインの配色が、
黄金色というか紅葉していて、
今のTOKYOに合っている気がした。
スモーキー・ロビンソンそのものも、
いい感じに枯れている気がする。