ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

慌しく初ライヴ。

tinpan19732009-11-15

扉を開けると、一瞬の静寂の後、印象的なあのイントロが聴こえてきた。


木曜日、井上陽水@東京国際フォーラム
仕事が手間取り、国際フォーラムに着いたのが開演30分後。
入場口へ走り、席に向かってエレベーターや階段を駆け上がった。


ようやく自分の席に近い入場扉へ。
扉を開ける。曲と曲の切れ目らしい。一瞬の静寂。
その後、陽水氏のギターがあの曲のイントロを奏で始めた。


「帰れない二人」。今回のライヴで聴きたかった曲。
いきなりジ〜ン。
数十分前、仕事を片付けるため電話でガナリ立てていた時間とは、
正反対の時間が広がった。
曲と曲の間でないと入り口から席へ着くことはできない。
近くに案内の人がいたが、そんなことお構い無しに、
僕はこの曲を口ずさみ楽曲の世界に浸った。


曲が終わり席へ。
しばらくすると「新しいラプソディ」も演ってくれた。
40周年を記念するライヴらしく、ヒット曲満載というか、
メジャーな曲をこれでもかと演奏し唄ってくれた印象。


僕が到着する前に「闇夜の国から」も演ったらしい。
「闇夜の国から」、たしか1974年春、「心もよう」の後のシングル。
当時小学五年生になったばかりの僕は、
「心もよう」より「闇夜の国から」のほうが、明るくてPOPで好きだった。
この曲をライヴで聴けたら、きっと込み上げてくるものがあったことだろう。


陽水氏の歌声、初めてライヴで拝聴したが、予想通り素晴らしかった。
この声を大切に、いつまでも歌い続けてほしい。


ちょっと気になったのが、聴衆(僕より年上の人が多かった印象)の拍手が、
楽曲の演奏が終わるより早く始まってしまうこと。
陽水氏の歌声はもちろん、バックUPミュージシャンたちの演奏も
含めて音楽であるわけで、それらすべてをぜんぶ
聴き終えてから拍手をするべきなのになと感じた。
僕が良く聴きに行く、吉田美奈子さんや山下達郎さんのライヴでは
持ち得ない感想だった。


今回のバックは、ドラムが山木秀夫氏だったり、
(久々に山木氏ドラムで美奈子ライヴを聴いてみたいものだ)
ギターが今剛氏だったり、
(Oh! 元パラシュート! この人のギターを生で聴くのはいつ以来だろう?)
名うてのミュージシャンたちがニュアンスあふれる演奏を繰り広げていた。
その余韻まで、ゆっくり堪能したかったのに、
気の早い拍手がそれを遮ってしまった印象。


とにかく今、仕事が凄い状況のせいか、
自分の世界や時間を侵食するものに敏感
というか拒否反応が凄いのかも知れない。


ライブが終わり会場外へ。
国際フォーラムのホール内はケータイが「圏外」だった。
これは素晴らしいことのように思った。
外へ出て、ケータイから会社のメールをチェックすると、
新規メールが27件。
一切無視して、ご同行いただいた方と
ワインでも飲みながら余韻に浸ることにした。