ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

終わりと始まり。

tinpan19732009-07-05

Esquire日本版』につづいて、
マリ・クレール』も『スタジオボイス』も休刊となるようだ。


世の中に漂っていた先端的な空気…、
80年代的に言えばファッド(fad)、
ファッション(fashion)=流行になる一歩前のヒト・モノ・コトを
独特の手法で届けてくれた雑誌が続々とその役割を終えようとしている。


インターネットの普及により…、
広告収入に頼るビジネス・モデルが…、
終焉の理由はメディアにお任せすることにしよう。


一方で、
忌野清志郎さんに、マイケル・ジャクソンに、
ファラー・フォーセット・メジャーズ…。
音楽、映画といった世界で、自分にとって
80年代的なるものの象徴であった方々が続々とあの世へ旅立たれた。


自分が働く広告の世界でも、
コピーライターの真木準さんが…。
真木さんは、山下達郎さんが音楽を担当された
ANAのキャンペーン“高気圧ガール”のコピーを書かれたり、
そうそう1998年の達郎さんの新作『COZY』発売時のコピー
“セブン・イヤーズ・チョビット”も真木さんだった。


2009年の上半期末は、なぜか
いろいろな終焉を意識する時期だった。
でも、終わりは、始まりであって…。


順調に雨が降っている今年の梅雨。
鬱陶しさも感じたけれど水源地にはハッピーだろうし、
そろそろ終わりが見えてきた気がする。


7月になったら、引越しをする。
80年代からとってある主だった雑誌の創刊号や、
結局ダビングせずそのままのカセット・テープやビデオ・テープ、
聴くメディアが無くなったレーザー・ディスク…。
着なくなった服、感動していつか読み返そうと思ってとってある本…。
少し整理してみよう。
引越し→モノを捨てるという行為は
「自分にとって大切なものを見極める行為」と誰かが言っていたっけ。


以上、久々の書き込み。
ハービー・ハンコック『処女航海(Maiden Voyage)』を聴きながら書いている。
梅雨の終わり、夏の始まりによく聴くアルバム。
80年代の終わり、よく通った下北沢のバー。
そのバーが開店したのが七夕で、開店していちばん最初に店内で流した
アルバムが、この作品だったというマスターの話が印象に残っているせいだろう。