ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

晴走雨想。

tinpan19732009-04-25

雨の土曜日。いつもなら起きて一時間ほど
走ることにしているのだが、この天気では無理。
ゆっくりと朝食をとり、平日録り貯めたテレビ番組を見る。


今週は『SONGS』に坂本龍一氏が出ていた。
食事しながら、朝刊に目をやると、朝日新聞
「be on Sunday」(土曜日版別冊のようなもの)の表紙が、
教授だった。見出しは『「エコはファッション」でいい』。


新譜発売以来、教授のメディアでの露出ぶりは本当に凄いと感じる。
日経新聞では父親である故・坂本一亀氏とのご関係を語られていた。
私は日経を読まないで生きることにしているので、
それを知っている会社の人がわざわざ切り抜きを渡してくれた。


さて、教授の『SONGS』はとても面白かった。
今まで見た『SONGS』の中で一番かも知れない。


京都ロケが、新譜『OUT OF NOISE』の魅力をより的確に伝えていた。
紙媒体やWebで読んだだけでは今ひとつ理解できなかった
“生け花のような音楽”という意味が実感できた気がした。


そして、大竹伸朗氏のペインティングとのコラボレーションがまた面白かった。
こういう方法論そのものが新しいことを、教授や大竹氏は80年代から
やりつづけているのだ。永遠のこの人たちは、僕の
人生(!)の先生なのだろう。


大竹氏を初めて知ったのは、80年代半ば筑紫哲也氏編集長時代の
雑誌『朝日ジャーナル』の連載「若者たちの神々」だったと思う。
当時のカルチャー・ヒーローを“神々”として取り上げ、
筑紫氏が独特の切り口でインタビューするこの特集が好きだった。
後に単行本化され、今でも本棚に残っている。
教授も、ホソノさんも、松本隆氏も、ユーミンも、当然の如く
取り上げられていた。


『SONGS』での大竹氏のアートは相変わらずカッコよかった。
大竹氏は、吉田美奈子さんとも親交がおありで、
世界初の自主制作CDと言われた『BELLS』(1986年)のアートワークも
手がけられている。


僕は、絵心は全く無いのだが…、
今密かに時間ができたらやってみたいことがあって、それは…
アートワークなのだ。


昨年末、市ヶ谷〜飯田橋界隈のあるフランス料理店を訪れた。
そこに掲げられていた絵に、心を奪われた。
ダンボールに、油の滲みや鍋の焦げ目が付いている。
その付き方がアートになっている。


日比野克彦さんや大竹伸朗さんをすぐに思い出した。
だが、書かれたのは、店のシェフだそうだ。
料理の腕前とアートの腕前に相関関係があるのはわかる気がする。


僕もこんなことを…、
自分の生活の中にある素材や道具を使って、
二次元の表現活動をしてみたい。
ということを思い出した土曜日の朝だった。
今日は雨…。ちょっとアートっぽいことをして過ごそうかな。