ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

師走の季語から春の季語へ。

tinpan19732009-04-12

何かと慌しく二週間ほど書き込めなかった。
二週間前の吉田美奈子さんのライヴの日は、
気温が10℃に満たない寒い日だった。


あれから桜が咲き、散り、
ここ数日は20℃を超えている。
今日など半袖Tシャツを着て、冬のコートやジャケットを
クリーニング屋に持って行った。


久々に訪れた自由な時間。
この数週間に録り貯めた番組をチェックする。
ユーミンがたくさんテレビに出ている。
NHK世界遺産』『SONGS』、
フジテレビ『オールナイトニッポンTV』『僕たちの音楽』。
NEWアルバムが発売されそれに合わせた露出のようだ。


NEWアルバムはタイトルが『そしてもう一度夢見るだろう』。
4月8日発売。前作『A Girl in Summer』もたしか4月発売。
4月、新年度や新学期のスタートに新作を発売するというのは、
いいことかも知れない。今回は新作発売2日後にツアーが始まる、
電波での露出も発売前に集中するなど、4月期のプロモーションが、
以前の12月発売が続いた時期のプロモーションのように
こなれてきた気がする。


前作はたしか、ツアーが始まって2週間ぐらいしてアルバム発売。
電波や雑誌での露出も少し散漫だった印象がある。
きっと発売時期が二転三転したのだろう。


Amazonに予約しておいたので、新作は発売前日に届いた。
早速リッピングして帰りの電車で聴く。
私の初聴空間は、完全に電車の中になった。
丸の内や新橋に勤めているビジネス・マン&ウーマンに
新作が買えて、リッピングもしてくれるようなサービス。
始めたらウケると思う。山野楽器さん、やらないかな。
そして、帰りの地下鉄。
銀座線や丸の内線に発売日のみ、グリーン車というか特別視聴室を
作るプロモーション、やってみたら面白いと思う。
いろいろ障害は考えられるけど。


一曲目「ピカデリーサーカス」。少し奇襲を受けたカンジ。
イギリス大好き少女だった引き出し使うんだ。しかも、アルバムの頭に。
この曲の最後のフレーズ「そしてもう一度夢見るだろう」を
アルバム・タイトルにするのは、いい手法だと思った。
曲名をアルバム・タイトルにするより、アルバムに統一感を出しやすいと思う。


二曲目「まずはどこへ行こう」。肩の力が抜けた軽快な曲。
「生まれた街で」(1974年『ミスリム』の一曲目)の2009年版のように
私は感じる。これから梅雨前までの晴れた朝、家から駅まで歩きながら
よく聴くことになるだろう。「生まれた街で」がそうだったように。


三曲目「ハートの落書き」。
これは「最後の春休み」(1979年『OLIVE』)の2009年版のように感じる。
たまたま朝テレビで見た日本テレビの番組で、テリー伊藤さんが、
この曲の詞について、「ついにユーミンもこういう詞を…」云々の発言を
されていたけれど、「最後の春休み」以外にも、
「九月の蝉しぐれ」(1991年『DAWN PURPLE』)
「冬の終わり」(1992年『TEARS AND REASONS』)
と、定期的に学園ソングは書いていると思うのだが…。
学園ソングにしつつ中高年のイマジネーションを受け入れる間口の広さが、
この「ハートの落書き」には感じられるけれど。


まだあまり聴きこんでいないので、四曲目以降はまた改めて。
20代、クリスマスやお正月にユーミンの新譜があった。
40代、桜が咲くとユーミンの季節が始まる。そんな時代になったのかな。