ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

カヴァーと子どもの声と手拍子と。

tinpan19732009-03-22

考えてみれば、坂本龍一氏の
ピアノ・ソロLiveを実際に生で体験するのは初めてだった。


ライヴCDで聴いたり、テレビで放送されたものを録画してみたり、
かなり何度も観ている気がしたのだが、実際に生で観たのは、
20日東京国際フォーラムが初めてだった。


セットリストどころか当日夜中からiTunes
Live音源を配信しているとのことなので、ネタバレを気にせず
書かせてもらおう。また、今回のツアーは、ソロゆえか、
あるいは楽曲と演出との絡みをそれほど意識する必要がないのか、
教授曰く「行き当たりばったり」の選曲だった模様。


NEWアルバムから数曲演奏された後、
amazonから前日に届いたので新譜を聴いてライヴに臨めた)
聴きたかった「Amore」を演奏してくれてまず喜ぶ。
1989年『Beauty』収録いや、同年のサッポロ・ビールのCMソングと
いったほうが相応しいか。この曲が好きで、CMの映像もカッコよくて、
この年は皆で集まって飲むときのビールはサッポロにしていた
(ということに、この年の暮れに皆で苗場に行ったときの映像を先日見る
 機会があって気づいた)


自作曲以外では、細野晴臣氏が80年代に作られたCMソング
「ノルマンディー」を演奏してくれた。
細野さんへのCM制作スタッフからの依頼が
坂本龍一のような曲を作ってほしい」ということだったらしい。
教授がMCで語っていた。場内に笑いが漏れた。


モリコーネの映画音楽「1900年」もカヴァーしてくれた。
これが凄くヨカッタ。教授の曲にはあまり使われない和音が
使われている気がした。映画をDVDで観て、モリコーネの音源を
手に入れてしまいそうだ。


中盤で演奏してくれた「Sweet Revenge」もヨカッタ。
あれ? こんなにいい曲だったっけ?
家に帰ってCD棚の奥からアルバムを引っ張り出して、
この二日間何度か聴いている。
この曲というかアルバムの印象がイマイチなのは、
ヴァージンからフォーライフに移籍してしまってそこから出た一枚目で
あることと、あの水色と黄色ジャケットのアート・ディレクション
好きじゃないのが大きいと思った。


ここからは、気になったこと。残念だったこと。


祝日のせいだろうか? 小さなお子さんを連れて来られている方が
何人かいらした。ピアノ一本のLive、
子どもの泣き声や騒ぐ声が何曲かオーヴァー・ラップした。
聴くこちらの集中力が削がれてしまう気がした。
気持ちや事情を理解しようと思うのだが、
こちらも相応の金額を払って聴きに来ているのだ。


それから、ある曲で、ある人が、曲の始めから終わりまで
手拍子をしていた。ピアノ一本のLiveで、この合いの手は
ないんじゃないだろうか?
微妙にズレる拍手のリズムで、音楽が台無しになっていたと思う。


あとは、やっぱり、「戦メリ」を聴きたかった。生で。