ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

みんなに春はやってくる。

tinpan19732009-02-07

節分は、ここ数年来恒例となっている
馴染みのバーで豆まきの真似事をして、
マスターのお母様お手製の恵方巻きをいただいて過ごした。


恵方巻きは関東ではあまり馴染みのない風習だと思うのだが、
どうやら大手コンビニエンス・ストアーが、
大阪の一部の風習をプロモーションとして使い普及させたということらしい。


♪春は名のみの風の寒さよ〜
ひょっとしたら春は、四季の中で、最も気候を先回りする季節かも知れない。
お正月、1月1日からして「新春」だし、
2月4日がだいたい「立春」だし、
桜が咲いて大型連休ぐらいまで「春」という言葉は使われるようだ。
5月になると「初夏」という言葉を使ったほうが、
私が仕事をしている広告の世界などでは好まれる傾向にあるが…。


実際に、気候として「春」を感じるようになるのは、
“暑さ寒さも彼岸まで”と云われる春分のころではないだろうか?
春分」、旧暦ではきっと“春のちょうど真ん中”の候だったのだろう。
新暦の今では東京の桜が咲き出し、
最高気温が10℃を下回ることがほとんどなくなるこの頃から
春が始まると私は思っている。


ただ、この「暦の上で春とは言うものの…」実際の気候と季節が乖離した
立春から春分までの時期が私は嫌いではない。
今日は寒かったので何か温かいものを…と、飲食店に入ると、
出されたお通しの器に桜のビジュアルがあしらわれていたり、
季節を先取りしたタラの芽やふきのとうがメニューにあったりする。
なにげなく、うれしくなる。さりげなく、心が和む。
いろいろ大変だけど、明日もがんばろう
という気持ちになる。


先日のSTB139でのLiveで何曲か演奏されたこともあり、
大貫妙子さんの東芝EMI(現EMIですか?)末期の2作
『Note』『One Fine Day』を最近何度か聴き直した。


『One Fine Day』には、1993年の今ごろTVドラマ『家裁の人』主題歌として
シングル発売、同年秋アルバム『Shooting Star in The Blue Sky』収録の
「春の手紙」が2005年ヴァージョンとしてニュー・アレンジで再録されている。


シングル「春の手紙」は愛聴した。
今日のこの書き込みの前半に記したような
来たるべき温かさ・暖かさ・明るさ・麗らかさを待ち望む気持ちが、
大貫さんらしく楽曲化されていると思う。


カップリングは「会いたい気持ち」で、この曲のコーラス部分
♪風をあつめて〜
というフレーズにグッと来たのを昨日のように覚えている。


「春の手紙」「会いたい気持ち」ともシングルとアルバムは、
たしかアレンジが違う。個人的にはシングル・ヴァージョンが最も好きだ。
「春の手紙」は、2005年ヴァージョンも好きだけれど…。


そういえば、シングル「春の手紙」を聴いていた1993年の今ごろ、
バブル経済崩壊の影響で広告の世界に入ったばかりの私は
リストラの憂き目にあったりしたのだった。
このとき以上と思われる不況の波が今押し寄せているけれど、
必要以上に焦ったり騒いだりはしない。
こんなとき何をしなくちゃいけないかは、このとき学習したつもりだから。