ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

More & More Travels

tinpan19732009-01-01

年越しは、ブルーノート東京パット・メセニーLiveだった。
あのパット・メセニーが、グループで来日して、
カウントダウンLiveを行う!
知人から聞いて迷わず「行く!」と手を挙げた。


素晴らしい席だった。パットはもちろん、
大好きなピアニストのライル・メイズの指の動きまで追える席。
(Aさん、本当にありがとうございました)


Liveは「Have You Heard?」(1989年『Letter From Home』)で幕を開けた。
いきなりジ〜ン! 最後に観た1991年か2年のよみうりランドEAST
ときもこの曲がオープニングだった。会社の机の中に常備していて、
耳にタコができるぐらい聴いた1993年発売のLive盤『The Road To You』もこの曲から始まる。


カウントダウン直前、2008年最後の曲として演奏してくれたのは、
「Are You Going With Me?」(1982年『Offramp』)。
1983年に発売されたLive盤『Travels』にもこの曲は一曲目に収録され、
このアルバムも会社の常備盤だった。
私がコピーライターになった1990〜92年ごろは、
上記『The Road To You』はまだ発売されていなくて、
この『Travels』を会社の常備盤として愛聴、いや愛用していた。


以前にも書いたことがあると思うが、コピーを考えるときに、
ヘッドホンで音楽を聴きながら集中することは大切な行為なのだが、
音楽に歌詞があると(とくに日本語)、コピーの言葉がそれに引っ張れて
よろしくないのだ。私の場合。
そういった点でインストゥルメンタル、とくにパットの音楽は
非常に有用でかけがえのないツールだった。
Live盤『Travels』には幾度お世話になったことか。
今でもこのアルバムの一曲目「Are You Going With Me?」を聴くと、
あの、ろくすっぽコピーが書けなかった日々がまざまざと甦る。


そのアルバム『Travels』に収録された同名曲「Travels」を
アンコールに演奏してくれた。ソウルフルなフレーズを
刻むパットのギターが、飛び切り切なく心に響いた。


「First Circle」(1984年『First Circle』)
「Last Train Home」(1987年『Still Life』)
といった私の二大フェイヴァリットが聴けなかったのは残念だったけれど、
コーラス不在の4人編成では難しかったのだろう。
パットのギターとライルのピアノ、スティーヴ・ロドビーのベース、
アントニオ・アンチェスのドラム、彼らのアンサンブルが聴けただけで幸せだ。


「この人たちは派手なパフォーマンスをしない。
 演奏だけで聴衆の心をつかんでいる」
音楽の専門的教育を受けておられる方といっしょに
このLiveを聴いていたのだが、
その方がこんなことをおっしゃっていた。


表面や表層なんて、どうでもいい事。
実質や本質は、果たしてどうなのか?
そんなことを追い求めながら毎日を旅していこう。
そんなことを思い感じ、新しい一年が幕を開けた。