ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

グルーヴよ永遠なれ。

tinpan19732008-12-07

Live三昧の一週間の最後、
土曜日は吉田美奈子&The Bandを聴きにSTB139へ。


オープニングの美奈子さんアカペラ
♪Silent Night, Holly Night〜
につづいて、バンド・サウンドで名曲「Christmas Tree」のイントロ
が聴こえてきて、いきなり涙腺が緩む。
何度か書いているが、私は
「Christmas Tree」(1986年『BELLS』)
「Liberty」(1986年SonyのCM曲、1995年『Extreme Beauty』)
「時よ」(1978年『Let’s Do IT』)
をLiveで聴くと自然と涙がこぼれてくるのだ。


本日のメニューは、過去のオリジナル・アルバムから必ず一曲を
演奏するとのこと。面白い試みだと思った。吉田美奈子初心者向けにも
いいと思った。あの人を誘えばよかった。
過去の作品を特に時系列にすることなく、巧みな流れをつくり出していた。
いいなと感じたのが、一部終盤のワシントン Go Goメドレー。
「午後の恋人」(1990年『gazer』)
「Beauty」(1995年『Extreme Beauty』)
「Graces」(1996年『KEY』)
久しぶりに聴いたGo Goメドレー。
この流れで「Gifted」(1989年『Dark Crystal』)を聴くことはあっても、
「Graces」を聴けることはあまりなかったので楽しかった。


ただ「Graces」は…。大好きな曲なのだが、初めてLiveで聴いた
渋谷公会堂(ひょっとしたらNHKホールかも知れない)の
ホール全体に浜口茂外也氏のパーカッションが響き渡った
あのヴァージョンが忘れられない。それ以降何度かLiveで聴いたことは
あるが、あの感動を上回ることはない。
美奈子さんにこの曲だけはフェイクすることなく、
原曲に忠実に歌ってほしいと思うのは私だけだろうか。
それから、CDでは岩崎宏美さんたちがクワイアーで参加するのだが、
バンドの皆でCDと同様なクワイアー・コーラスを入れてほしい。
♪七つの海を渡る風に逢おう
♪翼を持つ女神の歌が聴こえる〜
「七つの海」「女神」、山下達郎氏とのコラボレーション末期の作品
「Sparkle」(1982年『FOR YOU』)でも使われたこの言葉たちを
しっかりと噛み締めたい。
(金曜日から厚木でスタートした達郎氏久々のLiveでも
 きっと「Sparkle」は歌われたに違いない)
(もし、美奈子・作詩/達郎・作曲のコラボレーションが復活して、
 私が何らかの関係を持つことができたとしたら、
 「七つの海」「女神」という言葉を使ってほしいとリクエストしたい)


巧みな流れという意味では、
二部のエンディングの
「恋は流星」(1977年『Twilight Zone』)
「愛は思うまま」(1978年『Let’s Do IT』)
「TOWN」(1981年『Monsters in Town』)
も秀逸。ソウルだ、R&Bだと、90年代後半から日本でもやたら、
黒っぽくキャッチーでメロディアスな音が主流になってきたように感じるが、
吉田美奈子さんは20年前にそんな音を作っていたのだ。


「TOWN」のエンディング部分、ヴォーカル・パートが終わり、
インストがしばらく続いたのだが、
成田D、岡沢B、土方G、倉田K、河合Kのあの演奏は本当にナミダもの。
今週聴きに行ったLiveでも、とりわけ印象的なグルーヴだった。


野地義行さんと故・ペーター佐藤さんの奥様が客席にいらしていた。
この方々への想いは、また改めて綴らせていただくことにする。