ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

希望と絶望のあいだを今日も。

tinpan19732008-08-26

ここ数日、天気がグズついている。
早くも秋の長雨シーズン?
10日ほど季節が早いような気がする。


仕事は忙しい。雨も降っている。ランチで遠くまで行きたくない。
と思っていると、オフィスから歩いてスグにいい店がある
と上司が教えてくれた。


早速行ってみる。和食ダイニングの店。
新さんまを食べた。美味しかった。
思いがけずいい店に出会う。こんな小さな幸せが、毎日を楽しくするんだ。


店内はオールディーズが流れていた。
♪ハロー・メリールー〜
が聞こえて来る。この曲を教えてくれたのは、
大貫妙子さんの1980年の傑作『Romantique』だ。
このアルバムのA面5曲目「BOHEMIAN」に、
「ハロー・メリールー」という曲名が登場するのだ。


曇った空、降る雨。暑さは去り、涼しさが訪れる。
秋の始まりは、私にとって『Romantique』の季節の到来だ。
このアルバムには、いろんな季節、いろんな場所、いろんな時間が
つまっているけれど、総体として
秋から冬の曇りや雨の日が似合うと思う。そんな気候のときに
聴くことが、これまで多かったと思う。


それぞれの曲が、それぞれの時に応じて、好きになったけれど、
いちばん聴いたのは、4曲目「若き日の望楼」と
この5曲目「BOHEMIAN」だった気がする。


♪ああ 憧れには いつも希望がある〜
歌詞の一番はブロードウェイが舞台、二番はハリウッド。
東海岸と西海岸が歌われるも、そこで描かれるのは“敗者の美学”。
♪栄光への賭けに破れて行く明日〜
エンディングにはフランス語の歌詞も歌われ、切なく美しい。
流離うカンジ、彷徨うカンジが、この曲をよく聴いた80年代、
メチャクチャお洒落に心に響いた。


4曲目「若き日の望楼」もそうだけれど、これらの曲世界に浸り切ったから
いまだに私は成功をしていないのでは…。
などと思っているうちに食事を終えた。
戻ってすぐにやることが目白押しだったので、このことについて
それ以上考えることはやめにした。


今日は、久々に『Romantique』を聴いて帰ろう。