ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

真夏の夜、夢は叶う。

tinpan19732008-07-26

忘れられない夜になった。
歴史的瞬間、記念碑…。
そんな言葉が浮かんでくる。


2008年7月25日金曜日、STB139での吉田美奈子 & The Bandライヴ。
ベースの岡沢章さんが急病のため、実弟の岡沢茂さんが代役となることを
公式サイトで知り、“いざ!鎌倉”と駆け参じた次第。
二日間のライヴなので、時間の余裕がある明日土曜日に聴きに行っても
よかったのだけれど、なぜか今日行かなければならないという気持ちになった。


仕事がひと息ついた。時計を見ると、夜7時ちょっと過ぎ。
これから、タクシーを飛ばせば…。いや、今日は給料日の金曜日…。
六本木交差点付近にクルマで向かうのは危険…。
電車を乗り継ごう。ギリギリ間に合うはず。
そう思って行動して、何とか開演に間に合った。


ライヴについての演奏曲など詳細は、ネタばれになるので明日以降にしよう。
今日の事件は…、冒頭の「忘れらない夜」云々の理由は…、
客席に村井邦彦さんと川添象郎さんがいらしていたのだ。


二部構成のライヴの後半が始まってすぐ、
MCで美奈子さんの口からその旨が伝えられた。
そして、お二方への心からの謝辞が語られた。
カッコヨカッタ。胸がジ〜ンとした。


アルファとの契約が終了したのが1983年のはずだから、
それから四半世紀経って、そのレコード会社時代(実際にはそれ以前からだが)
にお世話になった方への感謝を愛情ある言葉で語る。
トリュフォーの映画のような、上質でスケールの大きい青春映画を
見ているようだった。


美奈子さんの視線を追って、川添さんのお姿を目撃することは
できた。村井さんのお姿を見つけることはできなかったけれど、
このお二方と、今夜、同じ時間と空間を共有できたことが、
私にとってこの上ない幸福である。


お二方が世に送り出した音楽が、
お二方が価値を見い出したアートや食物や服や生き方が…、
間違いなく70年代半ば以降の世の中に影響を与えた。
洗練や成熟をもたらした。


お二方それぞれ、多くのものを築き上げ、多くのものを失い、
軽々しく語れないリスタートやリセットを行い、
そして今夜、この場にいらっしゃる。


お二方に、今の六本木の街は、
ミッドタウンや六本木ヒルズはどう映るのだろう?
そして、今夜の美奈子さんライヴは…?


吉田美奈子村井邦彦川添象郎
と同じ時間と空間を共有する。夢がひとつ叶った。
吉田美奈子山下達郎
のコーラスを生で聴く。次はこの夢を叶えたいものだ。