ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

手にしてから聴くまでがまた愉しかったりする。

tinpan19732008-07-07

週末の天気がウソのように、
梅雨空に戻った月曜日。
今日の楽しみは、amazonから届くCD。


Pupa「Floating Pupa」、1991 Tokyo×Jamaica Summit「Time is Now」、
2枚のCDが予定通り到着した。配送先を会社にしているので、
仕事の合間をぬってリッピング中。帰りの電車で聴くのが、今から楽しみだ。
新譜を初めてじっくり聴く日は、これまでは一目散に家に帰って
オーディオ機器の前に正座(?)して聴き入ったものだけれど、
近ごろは帰りの電車が初聴空間になっている。
混雑も電車の遅れや揺れも関係無い。座れなくて立ったままでも問題無し。
イヤホンをすればそこが、自分だけのオーディオ・ルーム。


Pupaは先日のLiveに都合悪くて行けなかったので、
このアルバムが初めて聴く音になる。
「近頃、思春期なもんで」素敵なキャッチがCD帯に描かれている。
原田知世さんと高橋幸宏さんのコラボレーションは、
何となく富田ラボのアルバムでの大貫妙子×高橋幸宏のコラボレーションの
ようなイメージがあるが、実際はどうだろう?


1991 Tokyo×Jamaica Summitは、よくぞ洞爺湖サミットが始まった日に
届いてくれましたというカンジ。七夕の日、織姫と彦星は逢えなくても、
ボクたちはこの音に出会える。吉田美奈子プロデュースによる
スライ&ロビーとの1991年の幻のセッション未発表音源。
この世に「幻の音源」というものは数多存在するけれど、
これは私にとっては、そうだな…一時の『Bells』に匹敵するぐらい
「聴きたい。でも、聴けない」待ちに待った音源だ。


マイケル・ローズ(ヴォーカル)
吉田美奈子(ヴォイス&キーボード)
スライ・ダンバー(ドラム)
ロビー・シェイクスピア(ベース)
清水靖晃(サックス&キーボード)
ギターはMr.Unknownとある。契約の関係で実名を
クレジット表示できないのであろうが、これが誰か
音を聴きながら推測するのも楽しみだ。


テーマ曲「Time is Now」は、1995年秋から約1年間
吉田美奈子さんがパーソナリティを務められたラジオ番組
「音楽野人」のテーマソングに使われたらしい。
「らしい」というのは、東京地区ではオンエアされなかったため
聴いたことがないのだ。


スライ&ロビーとの共演という意味では、
1980年コロンビアから発売されたミニ・アルバム「Instant Rasta」がある。
こちらも“幻の〜”という形容がされ、長く廃盤で、
何年か前にペッカー名義のアルバム(あるいは何かのオムニバス盤)に
何曲か収録されたような覚えがあるが、入手できていない。


この1991年『Time is Now』、現時点の予想では
「トンガっていて味のある、ヒップ&ホップのようなレゲエ」
そんな音がする気がする。
91年、『gazer』を発売して創美企画との契約終了直後に行われたセッション。
発売を想定され録音されたのに未発売となったのか、
当初から発売予定がなかったのかはわからないが、
80年代末から90年代始めというのは、吉田美奈子さんのアヴァンギャルド
面が全開だった時期。たとえば、『gazer』の「友達」のあのグルーブや
「STARLET」の清水氏サックスのあのフレーズ。
90年クリスマスの東京グローブ座コンサートでのダブル・ドラムでギターレ
という編成の、あのアンサンブル。


あの時期のエッセンスが封じ込められているような気がして、
早くその扉を開けてみたい。
扉が開くまで…、あと3時間ぐらいだろうか。
せめて今はこの盛り上がる気持ちを愉しむことにしよう。