ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

フォーク喫茶とシステム障害。

tinpan19732008-06-30

会社が引っ越して約2ヶ月経った。
昼休みにランチがてら、周囲を散策するのが楽しみだ。
脇道や横道を、それこそアレー(Alley)やサイドウェイ(Sideway)を、
気の向くままに彷徨う約一時間の逃避行。


一時間が一生になっても、私の場合
「気の向くままに彷徨う」という点では変わらないのかも知れない。
一時間の中に、「昼食を摂る」という決まり事があるだけで
それをクリアすればあとは自由。
一生の場合でも、「食べる・寝る・(悲しいけれど)働く」という決まり事が
あるぐらいで、基本的に思うがまま・為すがままに流離っている。


今日は、鯵たたき定食を食べた後、裏通りを歩いていると
「フォーク喫茶」なる看板を見つけた。
70年代風の建物、
森田童子のジャケットが入り口に掲げられていたから、
この「フォーク」は「フォーク・ソング」の意味なのだろう。
コーヒー一杯飲むぐらいの時間はあったので、
興味半分で入ってみた。


店内は私以外に客は、二人連れが一組。
音楽は流れていなかった。
席に着いてアイスコーヒーを注文して、ジロジロと店内を眺め廻した。
井上陽水『もどり道ライブ』、あとはタイトルはわからないが、
サーカス、松山千春のジャケットが飾られていた。


やがて音楽が聞こえてきた。
♪汗をかいたのでひと休み〜
南こうせつかぐや姫名義か?)「うちのお父さん」だ。
ライブ音源だ。運ばれて来たコーヒーを飲みながら、
店に置かれていたスポーツ紙を読む。音楽は引き続き、
ライブ音源が流れている。「加茂の流れに」も流れたから、
かぐや姫のライブ盤なのだろう。


ちょっと懐かしくて、ちょっと恥ずかしい時間。
懐かしいけれど、決して戻りたくない過去が広がっている気がした。
自分で設定した一時間の昼休みがそろそろ終わるので、
そそくさと店を後にした。


社に戻る。
周囲の人から「メールが送れない」「Webが見れない」の声。
システム障害でサーバーがダウンしているらしい。


フォーク・ソングなりを聞いたので、
時間がタイム・スリップしてしまったのだろうか?
電話とFAXで仕事をする。
かぐや姫の時代だと、FAXもまだ登場したばかりで、
電話は当然ダイヤル式の黒いやつだったのだろう。
(調べてません。想像です)
あの時代のインフラだと、今の仕事量の1/4ぐらいしかこなせいんじゃ
なかろうか? 幸福か、不幸か、なんてわからない。
とりあえず、この時間を利用して、
ここに書き込むことができた。これは、きっと、いいことだ。


携帯電話、Eメール…。時間と空間を超えて追って来る情報を
遮断する工夫が必要になった今日。
ヒット・チャートを賑わす曲に耳を澄ますと、
あの頃のフォーク・ソングのような曲がかなり多いことに
驚かされる。