聴けない平均律、時間の不文律。
バッハ『平均律クラヴィーア曲集』を
高橋氏のピアノで聴けるというので楽しみにしていた。
19時開演というのがちょっと気になったが、
今の会社からならタクシーで10分ぐらい。
何とかなるだろうと思っていた。
が、ダメだった。
直前、社を出るに出られない状況となり、
何とか片付けて会社を出たのが19時10分。
浜離宮朝日ホールに着いたのが19時半ごろ。
『平均律クラヴィーア曲集』の演奏はほぼ終盤だった。
クラシックなのに現代音楽を思わせるようなめくるめくピアノの調べを、
私はホールのロビーで聴いた。
演奏が終わり、ようやく自分の席へ。
曲はバッハからブゾーニへと変わった。
今週は週前半がハードだったせいだろうか?
ブゾーニから休憩をはさんでモンポウの曲を聴いていると、
いつの間にかスヤスヤと…。
“バッハ”“平均律”“グレングールド”…。
私にとって今から20年ほど前のキーワードだった。
当時勤めていた会社の先輩に、その素晴らしさを教えていただいた。
いつかちゃんと聴こうと思って、それからしばらくしてその会社を辞めて
以来、そのままになっていた。
subterraneanさん「地下生活者の手記」にオジャマするようになり、
そこで “バッハ”“平均律”“グレングールド”に関する記述を拝読するたび
「ちゃんと聴こう」という思いがリバイバルしてきた。
最近の手記で、お薦め盤について記されていらしたので、
これを機に購入してみようかと思う。
社会人になって以来、平日のコンサートで四苦八苦しつづけている自分。
22時、いや、せめて21時開演にならないものだろうか?
ニッポンには大人の文化が根付かないと言われ続けて久しいが、
「平日のコンサートの開演時間を遅くする」
「平日の映画の最終回の開始時間を遅くする」
ことで、かなり状況は改善されるのではないだろうか?
時短だ! フレックスだ! 裁量労働だ!と叫んでみても、
ビジネスマンの大部分は、平日遅くまで仕事に追い立てられているのだから。
六本木から新橋にオフィスが移って、
“ノー・ネクタイのIT系”から“ネクタイとスーツのサラリーマン”が
主流の街に通うようになって、 仕事に対する意識が
以前よりコンサーバティブになった気がする。
ところで、久々に平日、仕事の合間に書き込むことができた。
5月に引っ越して以来、初めてだ。