ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

六本木ティン・パン・アレー40年。

tinpan19732008-04-27

STB139(スイート・ベイジル)での
吉田美奈子&The Bandライヴへ。


まずはお詫びから。先日、目黒ブルース・アレイでの
吉田美奈子&河合代介デュオ・ライヴを拝聴した日の
書き込みで、河合さんのプレイする姿勢について、
背中が伸びていない云々の記述をしましたが、
ハモンド・オルガンというのは椅子の高さが調整できなかったり
するそうで、事情もわからず印象だけで記してしまい失礼いたしました。
その日の書き込みは謹んで消去させていただきます。


さて、細野晴臣さんのライヴを六本木ミッドタウンのビルボード東京で
聴いたのが火曜日。そこから徒歩10分ほどのSTB139で吉田美奈子さんの
ライヴを聴いたのが土曜日。同じ週に、同じ六本木で、
このお二方のライヴを聴けたことが感慨深い。


外苑東通りは、ティン・パン・アレーだ。


ミッドタウンから外苑東通りを六本木交差点に向かい歩き、
交差点から芋洗坂をくだったところがSTB139.
そのまま外苑東通りを飯倉方面に歩いていくと、
ハンバーガー・インがあった(つい最近まであったのに、閉店してしまった)。
60年代終わり、ここに夜な夜なヒッピーたちが集い
音楽談義を繰り広げていたそうだ。
はつぴぃえんど(はっぴいえんど)の頃の細野晴臣さん、松本隆さん、
16歳ごろの吉田美奈子さんらが、この店に集っていらしたそうだ。
あれから約40年。


ハンバーガー・インから、外苑東通りをもう少し飯倉に歩いたところに
ライヴ・ハウスPIT INNがあった。
ここにフュージョン系以外で初めて出演されたのが、たしか吉田美奈子さん。
あれから約30年。そのPIT INNも、今はもうない。


今日のライヴで話されていたが、吉田美奈子さんは
今のお住まいに住まわれて20年だそうだ。
そして、今日ライヴをした場所STB139が10周年。


10の倍数が3つまでなら理解できるというか、
この手のジャンルの音楽ではここ数年“30周年がいっぱい”で、
30周年記念盤やイベントが目白押しなのだが、
細野さんや美奈子さんには「40年」という数字が
そろそろ身近なものになってきた。これはスゴイことだと思う。
社会人ならフツーに定年を迎える時間だ。


今日のライヴの演奏曲目は、1996年のアルバム『KEY』以降の作品で
占められていた。「RIM」(2006年『Spangle』)とか
「Strap」「Fragment」(2004年『Revelation』)とか、
改めて聴いていい曲だと思った。詩をじっくり読んでみたくなった。
どうも、ここ10年ほど、音楽CDの詞を読まなくなった。
視力が落ちて、小さい文字を追うのが辛くなったことが大きいが、
それが、吉田美奈子さんの作品でさえそうなのかとちょっと悲しくなった。


ところで、今日披露してきれた新曲2曲。
(「LIFE」は先日の河合氏とのデュオでも演奏してくれたが)
これは詩を追ってみたい。契約のない現在だから、
Live会場で歌詩カードを配布してくれないかな…。
90年代終わり、鎌倉芸術館での「音楽の言葉」のように。