ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

ホソノさん@Billboardの距離感と違和感。

tinpan19732008-04-24

ビルボード東京での細野晴臣Live、
二日間計4公演の、初日の2回目に行ってきた。
夜の8時過ぎまで仕事でバタバタして、
それからでも間に合うという時間と、
会社から会場までの距離に、まず感謝。


Liveは90分で、最初の20分がオープニング・アクトで、
細野晴臣&ワールド・シャイネスの音楽は70分だった。
オープニング・アクトはお笑いの人(名前を失念しました)。
昨夏の日比谷野音では、オープニング・アクトで竹中直人氏が登場したり、
YMOでのスネークマン・ショーやSETの起用の仕方など、
ホソノさんと笑いとの変わらぬ距離を感じた。
MCも相変わらずのオトボケぶり…、ホソノさんの人間性と音楽性の一部に
笑いがあるのだろう。


Liveでは、中盤の
「チャタヌガ・チューチュー」(1975年『TROPICAL DANDY』)
「香港ブルース」(1976年『泰安洋行』)
あたりで寛げた。ジ〜ンときた。
「Pom Pom蒸気」はこの編成で聞くと、『泰安洋行』でなく、
もうすっかり『Flying Saucer 1947』の曲のように聴こえた。
アンコールの「はらいそ」(1978年『はらいそ』)も嬉しかった。
初めて、Liveで、ホソノさんの声で、「はらいそ」が聴けた。


ホソノさんが「はらいそ」を歌い出すと、
ステージ後方のカーテンが開き、東京の夜景がくっきり。
♪ここは、いつか夢見た大都市〜
はらいそ=パライーソ=パラダイスなんだよね。きっと。
ボクたちにとって。この、美しく汚いTokyoって街が…。


ところで、ホソノさんと、このビルボード東京との距離感。
お笑いのような適度な微笑ましい距離は感じなかった。
このライブ・ハウスからは、格差社会ヒエラルキーのような
経済性は十分すぎるほど感じつつも、
音楽性はあまり感じられない。“世の中、ゼニ!”。
音楽への愛情というより、経済の論理でライヴ・ハウスを
運営している感じがする。


ホソノさんなり、日本人第一号の出演アーティストだった井上陽水さんなり、
ミッドタウンOPEN一周年の限定Liveをここで行ったユーミンなり、
6月には何とキリンジまでこのLiveハウスに出演されるらしいが、
違和感を覚えてしまうのはなぜだろう?


“過去の栄光”外タレを呼んで来て、福岡・大阪と連れ回して巡業させて、
客から1万円以上巻き上げる手法のほうが似合っていると思うのだが、
早くも限界が来たのだろうか?
(オープニングのスティーリー・ダン。行きたかったのに
 3万円超のチケットはゼッタイにあり得ない! 音楽への冒涜だ!
 ポップ・ミュージックは、クラシックやオペラじゃないんだ!)


ライヴ・ハウスって? 音楽って? 飲食って? サーヴィスって? 
いろんな「?」が次々と浮かんでくる。


来月。タワー・オブ・パワーを聴きに、青山ブルーノートへ行く。
そしたら、ブルーノートビルボード、スウィート・ベイジルといった
六本木界隈の3つのライヴ・ハウス比較・検証のようなことに
トライしてみようか。