ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

流れる雨と時に想いを馳せると、クルマも流れ出した。

tinpan19732008-04-20

ティン・パン・アレーを訪ねて】第17回


雨の金曜日のアフター6、
タクシーで青山通りを、赤坂から渋谷に向け走った。
同じ246(国道246線)でも、
六本木通り玉川通りはしっちゅう走っているけれど、
青山通りを走ったのはかなり久々だった。


「雨」「金曜日」「アフター6」、
混むための条件が揃っていたせいか、予想通り渋滞していた。
会食の予定があり、渋谷の店に向かっていたのだが、
遅れると店に電話を入れた。
どうせなら、この状況を楽しもうと、
スローモーションのようにゆっくりと過ぎて行く
窓の外の風景を味わうことにした。


♪あの日の君は傘差して 青山通り歩いてた〜
こんなメロディーが浮かんできたが、これは、たしか…、かぐや姫
当Blogの趣旨に合わない。
♪国道沿いの二階の部屋では 目覚めるときに天気がわかる 今日は雨〜
いかん。これも、たしか、南こうせつ…。


かぐや姫など70年代フォークのエポックとなった
ユイ音楽工房がたしかこの界隈にあったはずで、
春や秋の雨の夕刻にこのエリアにいると、この種の音楽が頭をよぎる。


山田パンダが1975年に歌った「風の街」という曲など、
♪表参道 原宿は〜
という言葉が歌詞に登場してきて、今でも晴れた五月ごろ
表参道を歩くとき、口ずさんでしまう。
(タイトルからし松本隆氏が作詞したと思われがちですが、ちがいます)
山口百恵桜田淳子西城秀樹郷ひろみ、当時のトップ・アイドルが
揃って出演していたTBSのドラマ「あこがれ共同隊」の主題歌で、
森昌子野口五郎が出ていたかどうかは覚えていません)
たぶん75年4〜6月ごろオンエアされていたのだと思う。
初夏の晴れたけやき並木が似合う曲だ。


クルマは青山三丁目の交差点を過ぎる。
今も健在のブルックス・ブラザーズの前にたしかVANがあって、
そのビルの何階かがVAN99ホールで、そこがシュガー・ベイブ
ファースト・コンサートが行われた場所だったはず。


それにしても、青山通りの、とくに左側は、建物立替中で空き地が多かったり、
立て替わった新しいビルがあったり、昔ながらの建物が残っていたり、
雑多だな。あまり風情は感じない。もう少しトータルな開発を施したほうが…。
あっ、右前にそびえるあの建物は、建設中の紀伊国屋本社ビル。
いろんな噂話が聞こえてくるけれど、とりあえず、あの高さはないのでは…?
周囲から浮いている。この辺り、法律の高さ制限はないのだろうか?


紀伊国屋本社ビルの前で246と交差する骨董通り
この交差点からすぐのところにパイド・パイパー・ハウスがあった。
シュガー・ベイブの初代マネジャーにして、
ティン・パン・アレーのマネジャーもなさっていらした
長門芳郎さんが店長をされていたセレクト・レコード店


渋滞がひと息つき、クルマが流れ出す。
意外と早く青山学院大学前を通過する。


♪雨に破れかけた街角のポスターに〜
「『いちご白書』をもう一度」は、大学だと青学の歌だと
ユーミンが言っていたな。そういえば。
雑誌『POPEYE』のたしか1981年夏に出た、
サザンの桑田氏との対談が掲載された号で。
たしか二人はこのときが初対面。
桑田佳祐「C長○○〜」というタイトルで、
当時連載を持っていたんですね。『POPEYE』に。
矢野顕子さんがゲストのときもサイコーにおもしろかったな。


ひょっとしたら、あの頃の『POPEYE』、
この部屋のどこかに残っているかも知れない。
今度の連休に時間があったら探してみるか…。


などと、とりとめなく思っていると、
クルマは渋谷のめざす店へ到着した。