ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

春の距離感。時の無常観。

tinpan19732008-04-06

今年の桜は、開花から散るまで長かった。
週末二回、花見を楽しめた。
満開になってから雨が降ったり風の強い日があって、
例年だとここでかなり花が散るのだけれど、
今年はしぶとく踏みとどまったように思う。


なぜか、今年は、桜を下から見上げることがほとんどなかった。
遠くから眺めることはかなりしたけれど、
桜の木の下に行ってそこから見上げることをしなかった。


きっと距離を置きたいのだと思う。
桜に限らず、いろんなことから。
近すぎず、遠すぎず、ちょうどいい距離感を保ちたいのだ。


春は、いろいろな別れと出会いがあって、
人や物事との距離感をもう一度考えたくなる季節。
ちょっと近すぎたのかも知れない。あの人に対して。あの件に関して。
いや、もうちょっと近づきたいな。その事に対して。その件に関して。


昨日は、花見をして仲間たちと飲んだ。
葉が出始めた桜と、桜以外の花ならば、凝視していいと思い見つめた。
食べた。飲んだ。歌いたくなったので最後はカラオケへ行った。


春の歌が多く歌われた。
最近は「桜」の歌って多いんだなと思った。
コブコロとか、森山良子さんのご子息とか…。
タイトルがそのまま「桜」だったり、
歌われる内容がものすごく直接的で、
もうちょっと対象と距離を置いて、
イマジネーションを刺激する内容にすればいいのにと、
人が歌っているのを聞いていてちょっと思ったけれど、
かなり酔っ払っていてよく覚えていない。


今のポップ・ミュージックと、私はちょっと距離を置きすぎているのかも
知れない。自分が20歳前後に夢中になった音楽家の作品を聴き続けている。
その音楽家たちの新作を聴いて、そこに違和感や抵抗感を感じることも多い。
だけど、それは決して悪いことじゃなくて、
新しい刺激は与えられているわけで、それから時間の無常も感じるわけで…。
いつも感動しているだけじゃただの信者だ。


カラオケは4人で結局6時間ぐらい歌った。
キリンジ「雨を見くびるな」が上手く歌えた(気がする)。
今までも何度か歌ったけれど、DAMのバージョンで歌ったのは初めてで、
アレンジも演奏も音そのものもすばらしく
(ということはつまりもっとも原曲に忠実な音をしていたということ)
キモチよかった。


そして、週明け月曜日からは雨。桜は散り、時は進む。