ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

橋の上のエイプリル・フール。

tinpan19732008-04-02

ティン・パン・アレーを訪ねて】第16回


月島で飲む。
カツオやコハダなど美味しい魚をつまみながら。
この春からのNHK朝ドラの舞台が月島のせいか、
もんじゃ店が立ち並ぶメイン・ストリートは
いつもより活気づいているように感じられた。


しっかり飲み食いしてすっかり気持ちよくなり店を出る。
隅田川方向に向かって歩く。
途中、小川に沿って桜が咲いている一角があり、しばし見入る。
やがて勝鬨橋へ。


「たしか日露戦争の何かの戦いの勝利を記念して作られたんですよね?」
「あのひとつ上流の橋は、永代橋…?」
大先輩のカメラマンやスタイリストの方々に、
稚拙な質問を浴びせながら歩く。


「そういえば、ポンポン蒸気が、この橋の下を通っていたんですね…?」
そんな言葉を発しながら、頭の中では例のメロディーが…。
♪おっちゃんのリズムでスイスイ〜
細野晴臣「ポンポン蒸気」。2007年に発売され文化庁芸術選奨文部科学大臣賞の受賞対象作にもなった
(ビックリした!)現時点での最新アルバム『FLYING SAUCER 1947』
にも収録されているけれど、脳内を駆け巡ったのは1976年のアルバム
泰安洋行』ヴァージョンだった。


鼻歌を口ずさみながら歩いていると、やがて橋の真ん中へ。
日本ではめずらしい可動橋、
「ここがそのつなぎ目部分」と教えていただき、視線を向ける。
勝鬨橋が開閉して、その開閉するシーンをクライマックスにしたのは
松本隆さんが監督された映画『微熱少年』だったかな?
小説『微熱少年』のクライマックスは、
「東京タワーにリボンを結ぶ」シーンだったはず。
それが映画化にあたりたしか勝鬨橋の開閉に変わったような…。


いかに大先輩お二方でも、さすがにこの質問にはお答えいただけないと思い、
ここに記すことにする。
エイプリル・フールの夜、隅田川の橋の上で、思いを馳せたのは、
エイプリル・フールというグループに在籍されていた
細野晴臣さんと松本隆さんのことだった。


細野さんは芸術選奨
松本さんが月刊『文藝春秋』3月号に寄稿されていた
団塊が「日本のおじいさん」を変える”という文も良かった。
次は松本さんが文部科学大臣とか文化庁長官とかになったり…。
しないよな。エイプリル・フールの戯言。