ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

通信手段が多様化すると、私たちは…。

tinpan19732008-02-24

留守番電話が普及したのは、
80年代の後半だったと思う。
ポケベルが女子高生の持ち物になったのは、90年代前半。


パソコンが家庭に本格的に入り込んだのは、1995年の終わり。
Windows 95が登場してからだ。インターネットの普及。
電子メールが新たなコミュニケーション・ツールとして、
ビジネスにプライベートに活躍しだした。


90年代の後半になると、携帯電話も一人一台時代へ。
iモードのサービス開始がたしか1998年、
携帯メールというコミュニケーション手段も登場した。


●会って話す
●電話で話す
●携帯メールをやりとりする。
●PCメールをやりとりする。
●手紙をやりとりする。
21世紀になると私たちはこれら5つの手段を、
目的や用途に応じて巧みに使い分けるようになった。
20世紀になるまでは、会って話すか手紙しか手段がなかったはず。


「No」を伝えるときベンリだな
と思う。たとえば、参加したくない仕事の飲み会を断るとき、
メールでなら緻密に理由を設定して丁重に詫びつつ断ることができる。
電話だと声のトーンひとつにも気が抜けない。


断るだけじゃく、誘うときも、
プライベートで友人たちと飲むときも、
誘うのはまずメールからだ。
PCメールだけで成立してしまうことも多い。
当日、5分遅れるなりを携帯メールに入れない限り、
都合の確認と場所の連絡、PCメールが二回行き交うだけで、
久々に会う・飲む・話すという行為が成立するのだ。


21世紀になって、私は電話が苦手になった気がする。
メールと実際に会うということだけでコミュニケーションを図りたい。
メールだと、意思疎通に数時間の猶予がある。
PCメールなら24時間、携帯メールなら12時間、
返信までの猶予があると思っている。
実際に会うときは、目的も覚悟もあるので、相応のテンションで
その場に臨める。ところが電話だと…、こっちが寝ていようが
食事していようが電車に乗っていようがおかまいなしだ。


昨年来、携帯電話に「非通知」の着信が目立つようになった。
今どきキャバクラやセールス・勧誘も「非通知」でかけるなんてことは
しないのに???
大学のクラブの大先輩からだった。ある依頼だった。
本当に急ぐのであれば手紙や場合によっては電報という手段もあるのに…。
リタイアされてそろそろ10年。時間と淋しさを持て余されているのかな…。


♪携帯の絵文字が自由の証だから〜
吉田美奈子「RIM」、現時点での最新作『Spangle』(2006年)収録。
前作『REVELATION』(2004年)にも「STRAP」という、
「選択することが自由」と思っている少女を描いた作品があった。


♪茶髪のTeenage
という言葉が登場する1996年『KEY』収録の「CORNER」あたりからかな。
美奈子さんが女子高校生のスタイルとマインドを見つめ、
楽曲化しだしたのは…。「今どきの女子高生は〜」といった軽薄な視点ではない、
鋭さ・深さ・厳しさ・優しさがあると思う。