ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

サックスとコーラスはセットになっている。

tinpan19732008-02-05

土岐麻子さんについて記した際、
土岐英史氏の山下達郎作品での名演について
整理してみようと思った。


今、私の手元にあるCDジャケット(というかインナー・スリーブ)は以下の通り。
『SPACY』『RIDE ON TIME』『FOR YOU』『JOY』『TREASURES』『SONORITE』
全作品のクレジットを確認していないのだが、現段階で抽出された特徴を
仮説を含めて記してみよう。


1)RCA/AIRレーベル時代、土岐英史氏はアルト・サックスのプレイで参加した。
RIDE ON TIME」「FUTARI」「LOVELAND ISLAND」「YOUR EYES」は
土岐氏のアルト・サックス。「SPARKLE」は村松建氏のティナー・サックス。


2) アルバム『GO AHEAD!』まではアルト・サックスは岡崎資夫氏?
「LOVE SPACE」(アルバム『SPACY』)、「2000トンの雨」は岡崎資夫氏。
「2000トンの雨」のクレジットは、『GO AHEAD!』のスリーブが手元に無く、
『SONORITE』で確認。土岐氏の達郎作品参加はアルバム『MOONGLOW』からか?


3) MOONレーベル時代になると、サックス・プレイそのものが減少?
MOONベスト『TREASURES』では、土岐氏の参加は「踊ろよ、フィッシュ」のみ。
土岐氏に限らず、サックスの使用そのものが減少したと思われる。
16ビートの楽曲、サビからコーダ、エンディングでコーラスと
サックス・ソロで盛り上げるという手法があまり見られなくなった?


4) 最新作『SONORITE』では、ソプラノ・サックスで土岐氏は2曲参加。
「SECRET LOVER」「LIGHTNING BOY」でアルトでなく、ソプラノを吹いている。
「白いアンプレラ」ではソプラノ/アルト/ティナーすべてのサックスが
平原まこと氏(平原綾香さんの父)のプレイである。


5) 80年以降のライヴでは淵野繁雄氏とほぼ交代でツアー参加。
メンバーでサックスは一人なので、ソプラノ/アルト(ティナーはないと思う)
を楽曲により使い分けている。『JOY』の「SPARKLE」は、
土岐氏のアルト・サックスである。
(スタジオ盤『FOR YOU』では村松建氏のティナー・サックス)


とまあ、こんな特徴が挙げられる。きちんと時間がとれたら、
全作品のクレジットを確認して完成版を作ってみよう。


私にとって、サックスが印象的な達郎作品ベスト3は次の通り。
1. RIDE ON TIME(『RIDE ON TIME』アルト・サックス土岐英史氏)
2. SPARKLE(『FOR YOU』ティナー・サックス村松建氏)
3. LOVE SPACE(『SPACY』アルト・サックス岡崎資夫氏)


順位はほぼ不動だが、1980年シングルで「RIDE ON TIME」を聴いたとき、
サビの吉田美奈子コーラス、エンディングのサックス・プレイの印象はやはり大。
「SPARKLE」も、イントロの達郎氏自身によるギター・カッティングが有名だが、
エンディング近くのティナー・サックス・ソロと美奈子コーラスはいつ聴いても心ときめく。
「LOVE SPACE」も同様。コーダでまず美奈子コーラスが響き、続いてサックス・ソロ。


結論)
私の場合、達郎作品の印象的なサックスの音は、美奈子コーラスとセットである。