ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

2世代アーティストの春。

tinpan19732008-01-31

昨日、10日ぶりに東京の最高気温が10℃を超えた。
朝のテレビの天気予報が「今日は久々に暖かくなりそう」
と言っていたので、春っぽい曲を選ぼうとiPodをスクロールした。


アーティスト順の「土岐麻子」のところで、指が止まる。
この人がサックス・プレイヤー土岐英史氏の娘さんであること、
実は前日に知ったのだ。
社内メールで「環境ニュース」なる社員の環境意識を向上させようと
いう建前だらけのメールが送られて来た。いつもなら即削除なのだが、
その日はなぜか開いて、そこで土岐麻子さんがコメントしていたのだ。


土岐麻子」、先日ここでも紹介した「クロスオーバー・イレブン」の
コンピ音源といっしょに、ムーンライダーズのLiveや流線形のアルバムを
知人が提供してくれて、その中にこの人の音源も入っていたのだった。
アルバム・タイトルは『WEEKEND SHUFFLE』。


アルバムの1曲目は「君に胸キュン」だが、なぜかリッピングされて
おらず、「夢で逢えたら」で始まる。うん、イイ!
この曲はいろんな人がカヴァーしたけれど、元祖・吉田美奈子
二代目・シリア・ポールと並ぶ三本の指に入るヴァージョンだと思った。
次の「Down Town」は、お父さんのプレイに違いないサックスが
いいアクセントになっていると思った。
「土曜日の恋人」も収録されている。お父さんがプレイヤーとして
参加したアーティストに所縁のある曲を取り上げているのかな?
そうなると「September」は竹内まりや…?
と思って聴いてみるとアース・ウィンド&ファイアーだった。
イイ! おもしろい。


楽家の2世の女性シンガーが、がんばっているな。
寺尾沙織さんもそうだし、平原綾香さんもそうだし、
ちょっと前なら坂本美雨さんも、ちょっと親御さんの
路線は違うけれど宇多田ヒカルさんだって…。
その中で私はこの土岐麻子さんが、いちばん好きかも知れない。


声がいい。ツヤがある。
Webで検索してみるとジャズも歌われているらしい。
ポップスを歌うと、epoさんのような世界が広がる。
寒い日がつづく毎日に微かに春の気配を感じる昨日の朝のような
シチュエーションにとてもマッチすると思う。
化粧品会社や携帯電話会社の春に流すCMの
イメージ・ソングにぜひ使っていただきたいものだ。


あ、あと、こんど日を改めて、
山下達郎さんや吉田美奈子さんのアルバムやLiveの
土岐英史さんのサックスの名演を整理してみよう。