ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

“チリダカ”“酸っぱい家”〜距離と理解〜

tinpan19732008-01-13

“パリ・ダカ”こと
パリ・ダカール ラリーが
今年、中止になったらしい。


テロリストの犯行予告があったためらしく、
私にとって20年来のお正月の風物詩が
今年は楽しめなくなった。
もっとも、箱根駅伝天皇杯サッカーラグビーの大学選手権と
同じく、テレビで流れていれば観るし、新聞や雑誌で取り上げられていれば読む
程度の距離感なのだが…。


たしかNew Yearの鐘が鳴り響くパリの街をスタートして、
スペインからアフリカに渡り、砂漠の中を疾走するレース。
90年代始めの湾岸戦争のときもたしか中止になったはず。
それから、騒音や渋滞等の問題でパリの街中でのスタートが難しくなり、
スタートがスペインのグラナダに数年前(ひょっとしたら10年以上)から
変更になったはず。
そういう意味では「パリ・ダカール ラリー」ではなく、
グラナダダカール ラリー」なのだと思う。


今年の中止を機に、“パリ・ダカ”そのものを中止にして、
チリに開催地を移そうという動きもあるらしい。
数日前の朝日新聞の見出しには笑った。というか驚いた。


パリダカ!改めチリダカ?”
というような見出しだったと思う。
「チリからダカールまで、大西洋を渡るような
 スケールUPしたレースになるのか!」と思ってしまった。
記事を読むと、ただ南米のチリを走るだけのようだ。


新聞の記事は、ときどき意味不明になる。
若者の流行やカルチャーを取り上げた記事等に顕著だ。
忘れもしない、これは宝島社『VOW!』にも取り上げられた
90年代始めの日経新聞の記事。
「アシッド・ハウス パーティを行っていた若者が、ドラッグを…」
という記事で「アシッド・ハウス(酸っぱい家)」と表記されていたのだ。
流行の音楽ジャンル名が“酸っぱい家”!
当時まだ20代だった私は、腹を抱えて笑ったものだ。
“権威って、ダサイ!”とあの頃は心底思っていた。


今、自分も40歳を超え、10代後半から20代前半をターゲットにした
諸々の流行現象から距離が生じてきた。
音楽、映画、小説、テレビ、ファッション…。
その年代をマーケットにするしか成立しない経済構造にも
かなり問題があると思うが、距離は距離としてしっかり認識しようと
心がけている。知ったかぶりをしない。確認する。
“チリダカ”“酸っぱい家”…を、反面教師にして。


という文章を、記憶だけで書いてしまった。
パリ・ダカの歴史とレース内容も、朝日新聞や『VOW!』の中味も…。
上で「知ったかぶりをしない」「確認」と言っておきながら…。
誤り等ございましたらご指摘ください。


パリ・ダカの記事で思い出したこと。
1986年末に発売された松任谷由実『ALARM a La Mode』収録の
「ホライズンを追いかけて〜L’aventure au Desert」。
(↑フランス語が一部表記できないため、スペルの誤り有り)
パリ・ダカを歌った曲だ。この年、たしか「ユーミンマリ・クレール号」
としてレースにプレス・エントリー。ユーミンご本人が、
レースの一部区間を三菱パジェロで走ったという記憶がある。
あの頃、『マリ・クレール』は中央公論社から発売されていたような…。
21年、二昔前の出来事だ。