ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

HEARTBEATはUNDERWORLDに共鳴する。

tinpan19732007-12-12

先日、友人からメールが来た。
iPodをランダム・プレイにしながらジョギングしていて、
坂本龍一「HEARTBEAT」とUNDERWORLDが続けて流れ、
その二曲がまったく違和感なくつながったので驚いたとのこと。


時代にして20年くらい違うのに…。
(正確にはアルバム『HEARTBEAT』は1991年発売だから16年前か)
当時ハウスを先取りしていたから今聴くとさぞかし古臭いと思ったけれど…。
「教授は、先鋭的なものの中から恒久的なものを嗅ぎ取って切り取る天才なんだと
実感した」とそのメールには記されていた。


「音楽は、衣装や包装紙でなく志だと思う。
 ハウスだ何だと流行の衣装に身を包んでいても、根っこは変わらない」
と取り急ぎ返信しつつ、聴き直そうと思い、CD棚を探す。


『HEARTBEAT』、CDが無い!
そうだ。思い出した。これはカセット音源だ。
1991年当時、知り合いを辿りに辿って発売前にサンプル盤を入手したのだ。
1988年オスカー受賞からヴァージン・レコードと契約して
1992年バルセロナ五輪開会式の音楽・指揮を担当したころまで、
坂本龍一氏は世界制覇するんじゃないか!と思えるほど勢いに満ちていた
ように私は思った。勝手に舞い上がっていた。


このカセットのサンプル盤も、発売前に入手して、
さんざん勿体つけて、この友人に貸したことを思い出した。
『HEARTBEAT』か…。懐かしいな。こんどCDを買うか。


UNDERWORLDは、たしか一枚持っていたはず…。
CD棚を探しに探して、ようやく出てきた。
『Beaucoup Fish』、プレイヤーにセットする。
聴こえてくる小刻みのビート。どの曲にも共通しているカンジ。
そうだな。これなら、どの曲が続いても「HEARTBEAT」と違和感ないよな。
と、思いつつ、今度は別のことを思い出した。


このアルバムを買ったのは、たしか21世紀になってすぐくらいで、
なんでUNDERWORLDを買ったかと言うと、
どこかの会社の受付で流れていたビデオクリップの一曲がカッコ良くて、
その曲が何か知りたくて、たしか当時最新だったこのアルバムを買ったのだった。
その曲はこの『Beaucoup Fish』に入っていなくて、
ちょっと調べようと思っていたのに、怒涛の忙しさが押し寄せてそのままになって、
それから5年以上経過したのだ。


友人が、『A Hundred Days Off』『Oblivion With Bells』を貸してくれた。
聴いてみたけれど、私が探していた曲はここにも入っていない。
(『Oblivion With Bells』はニュー・アルバムだから入っているわけないが…)
やっぱり映画『トレイン・スポッティング』で使われた曲かな。
あの映画は、映画そのものも音楽もサイコーだった。


以上、ここ数日、UNDERWORLDを聴き続けた理由でした。
友人は雑誌編集者で、ジョギングと徹夜の原稿書きに、
UNDERWORLDをよく聴くらしいですが、私の場合、原稿書きには
ちょっと合いそうもありません。あのリズムが心急かされる気がして、
それよりは地下鉄の中や師走の街を歩きながらのほうが合っている気がします。


探していた曲は見つからなかったけれど、新作『Oblivion With Bells』の終盤
「Glam Bucket」はイイですね。大好きになって愛聴しています。
あとは、この人たちは、アート・ワークですよね。
なんてったって、デザイン集団「TOMATO」の一員ですもん。
21世紀のヒプノシスだ!なんて話にこんどトライしてみましょうか。