ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

季節・社会・音楽・希望・聖夜。

tinpan19732007-12-09

吉田美奈子&The BandライヴでSTB139へ。
今回も中味が濃く、内容が工夫されていた。
ここのところ12月のライヴが恒例となっているが、
マンネリズムとは無縁の新鮮さに満ちていた。


流れが良かった。
セットリストを記してみよう。


○一部
1. The Christmas Song(Nat King Coleのあの名曲のカヴァー)
2. Radiance(1997年『SPELL』)
3. 頬に夜の灯(1982年『LIGHT’N UP』)
4. GIFTED(1989年『DARK CRYSTAL』)
5. CRYSTAL(1989年『DARK CRYSTAL』)
6. Shadow Winter(1997年『SPELL』)
7. 12月のイルミネーション(1996年『KEY』)


○二部
8. 雲の魚(2003年『REVELATION』)
9. ENCOUNTER(2002年『Stable』)
10. FUN!(2006年『Spangle』)
11. 星の夜(2002年『Stable』)
12. Forgiving(2002年『Stable』)
13. Shadows are the thoughts (of the radiance)(1986年『BELLS』)
14. Heart to Heart(1996年『KEY』)
15. Liberty(1995年『Extreme Beauty』)


○ENCORE
Silent Night(Standard)
もみの木(2002年『BELLS Special Edition』)


一部は「季節」「社会」
二部は「音楽」「希望」「聖夜」
そんなテーマで楽曲が流れていった気がする。


1のカヴァーで幕が開くのは新鮮だったし、
大好きな3と4、聴きたかった7も歌ってくれた。
5と6の社会派2曲が印象に残った。
21世紀になっても戦争は無くならず、
ネット・カフェ難民等がニュースになり、
私たちの暮らしはいったい…というような美奈子さんのMCを受け、
2曲が演奏された。


5は、「Illumination」「Solution」
「秘か」「微か」「静か」「僅か」といった歌詩の韻の踏み方がサスガ!
と当時思ったけれど、詩の意味までしっかり追っていなかった。
帰ったらもう一度詩を読んでみよう。
6は、発売から10年経ってズシリと私の心に響いている。
「風が舞い上げた新聞のニュースを明日覚えている人はいない」
等巧みなフレーズを散りばめながら、現代社会の光と影が描かれている。


二部は、9〜11などは美奈子さんの音楽への意志が
そのまま楽曲になったような作品。
音楽に携われることが幸せ、でも周期的に困難や試練はやってくる。
でも、そんなとき、自分を守れるのは自分しかいない
「自分を赦そう」「自分を信じよう」と歌う12から、
原曲を超えた明るいアレンジの13、軽快な“ぼやき”ナンバー14、
そして名曲15で、希望が歌われる。


アンコールは、倉田氏・河合氏のキーボードをバックに、
♪Silent Night〜
いつかこの曲や1を美奈子さんがレコーディングした音源も聴いてみたい。
安直なトリビュート・ブームや、軽薄なカヴァー・ブームが去った後に。
そして「もみの木」で、Good Night!