ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

綴り切れぬ想い。

tinpan19732007-11-14

火曜日、キャロル・キングのLiveへ。
単独公演でないので見送ろうと思ったが、
この次があるとは限らないので意を決して、
日本武道館へ。


観ておいて良かった。聴きに行って正解だった。


65歳になられたキャロルは、
代表曲の数々を歌ってくれた。
発売されているライヴ音源よりも味わい深く聴こえたのは、
Live(生)であることはもちろん、
上手に年齢を重ねたことも大きいのではないか。


年齢を重ねると、実際に声の中の情報量は増えるらしい。
大貫妙子さんのインタビューにも記されている。
http://www.jasrac.or.jp/sakka/inner1.html
若いときの声のハリは失われたとしても、
味わいや趣きは逆に増す。もちろん鍛錬は必要だと思うが。


キャロルは一曲ギターを弾きながら以外は、ピアノ弾きながら歌った。
ギター二人がバックを固めるという編成。音のキュビズムだ。
キャロルのピアノは力強かった。


女性シンガーが自らソングラインティングした楽曲を
ピアノを弾きながら歌う。
私は、基本的に、このスタイルが好きなのだと思う。
メロディーは美しく、コード進行は単純でなく、詞はユニーク。
そして、声に魅力があれば、尚いい。
その場の空気をヒリヒリさせてしまうような
鋭すぎる感受性を私がキャッチできたら、もうたまらない。


初期の吉田美奈子さんが荒井由実さんがそうだった。
矢野顕子さんは今でもそうだ。
その元祖が、キャロル・キングだと思っている。


それからキャロルは、本場のティン・パン・アレーで活動した人。
音楽出版社が軒を並べるニューヨークのティン・パン・アレーの一角で
60年代に職業作家として実際に曲を書いた。
昨日のLiveでも歌われた「UP ON THE ROOF」は、
そんな環境が詞になったのだと、昨日一緒だった知人が言っていた。


名作『TAPESTRY(つづれおり)』は、全世界でどれくらい売れたのだろう?
1,000万枚とか2,000万枚というケタ数だろう。
日本人アーティストとはレベルが異なる人の気に晒されたわけで、
その中で続けてきたキャリアはダテじゃない。
ピアノだけじゃなく歌声も力強かった。


元祖にして、本物にして、圧倒的なポピュラリティを獲得した
キャロル・キング。間違いなく歴史にその名を刻む世界的アーティストの
Liveを聴くことができて(たぶん最初で最後…)、本当に良かった。


今日は、絶対的に書き足りていない。
感じたことが大きすぎて、まだ消化できていない。
これから折を見て、キャロルについて綴りながら、
この日の感動を整理していくことにしよう。