ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

キリンジの雨三昧。

tinpan19732007-10-27

中秋の晴れた日中に似合う
アルバムについて記そうと思っていたけれど、
あいにく外は台風による豪雨。
ちょっと内容を変更します。


土曜日目覚めると凄い雨だった。
ずっと家にいようと思ったけれど、
ヘアカットの予約を入れてあることを思い出し、
出掛けることにした。


防水性の強い服と靴を選んだ。
iPodは、キリンジの雨の歌3曲を選んだ。


まずは「Lullaby」。
先日この曲については書いたと思う。
本当にいい曲だ。今いちばん好きな雨の歌かも知れない。
雨の中歩きながら聴くとグッとくる。
ただ、これも書いたかも知れないけれど、
シトシトとザーザーの中間くらいの雨が似合うと思う。
今日のような強い風雨だと今ひとつしっくり来ない。


つづいては「雨を見くびるな」。
この曲は、間口が広い。霧雨から豪雨まで、あらゆる雨を許容する。
個人的にもっとも似合ったシチュエーションは、
昨年末、冬なのに気温が高く台風のような雨が降った。ここにも記したと思う。
その中を忘年会をハシゴするために、六本木から西麻布まで歩いた。
タクシーの空車はなかった。
はつぴぃえんど(はっぴいえんど)、荒井由実吉田美奈子…。
12月の雨の歌がまったく似合わなかった。
唯一しっくり来たのが、この「雨を見くびるな」だった。
iPodをバッグから出して操作すこともできないような雨だったので、
聴かないで口ずさんだ。


♪鳩尾を蝕んでいくだろう 深く 深く
異常気象、季節はずれ…、そんな雨こそ真価を発揮する曲かも知れない。
地球の鳩尾が蝕まれていく。どうしよう…。
予断だが、この曲を聴いていていつも思うこと。
「大停電や戒厳令があれば、出生率は上がる」
物騒で不謹慎だな。せめて雨の日の外出禁止令とか…。
♪いさかいのポーズのまま 裏腹の筋を違えた
♪夜は軋みをたてる
この辺りのフレーズを聴いていると、私の脳はついつい
こんなことを考えてしまうのだ。


いけない。そして「雨は毛布のように」。
今日のような雨には最も似合う曲かも知れない。
今、詞を追った。いいな。雨宿りしているケンカ中の二人が、
雨の中に飛び出して行き、仲直りする歌だ。
どしゃ降りの中で手にいれたもの
♪濡れたパンツと君の笑顔さ
雨は、二人の味方なんだ。


雨だけじゃない。晴れた日も、曇った空も、吹く風も、陽の光も…。
移り行く天気。過ぎ行く季節…。
時間の表情に、目を凝らし耳を澄ませれば、
人間の感情は、穏やかになる。豊かになる。


ほら、雨は止み、風も収まったようだ。