ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

夕陽を追いかけた日。

tinpan19732007-10-19

一昨日だったろうか。
六本木のはずれのビルの二十数階にある
私のオフィスから、六本木ヒルズやミッドタウンの方向に、
夕焼けのオレンジと雲のグレーが横縞を、
St.ジェームスのシャツのようなマリンっぽい細い横縞でなく、
80年代後半に流行したアニエスbのような太い横縞を描いて広がっていた。


秋が深くなると、夕暮れどき西の空を眺めるのが楽しくなる。
仕事でバタついていると、あっという間に
オレンジがブラックに変わってしまうけれど。


1993年か94年の今ぐらいの時期だったと思う。
仕事で多摩川の丸子橋付近を訪れた。
仕事を終えたのが、午後5時ちょっと前。
多摩川の向こうに、夕焼けが広がり始めていた。
その日は会社に戻らず、そのまま直帰することにした。


多摩堤通りを走るバスに乗った。沈みゆく太陽を、
西の空に広がる美しい夕焼けを、追いかけるようにバスは走った。
私のウォークマンからは、この曲が流れていた。


吉田美奈子「Twilight Zone」。
1977年、山下達郎との共同プロデュースにより発表された、
『扉の冬』以来となる全曲本人作詩・作曲の4thアルバムの
最後に収められた楽曲。


美奈子さんご本人によるピアノのイントロで始まり、
やがて細野晴臣さんのガット・ギターや、
達郎さんアレンジによるホーンやストリングが重なってくる
7分を超える一大組曲。エンディングのインスト部分など、
「この美しい時間よ、ずっと続け!まだ夜になるな!」
と言わんばかりに、延々と緊張感ある演奏を繰り広げる。


このアルバムについては、昨年もこの時期に記したはず。
秋が来ると必ず一度は通して聴く、私のカレンダー・アルバム。
日付が変わって今日は、STB139で美奈子さんLive。
倉田信雄さんのピアノと、河合代介さんのハモンドという編成。
8月の池上本門寺での同編成Liveに行けなかった分も楽しみたい。
このアルバムから、一曲くらい聴けるといいな。