ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

雨の中を歩く訳。

tinpan19732007-10-14

夕方から夜にかけて、雨が降った。
ここ数日、好天が続いていて、
次に雨が降ったら、この曲について記そうと思っていた。


キリンジ「Lullaby」。昨年の今ごろ発売された
現時点での最新アルバム『DODECAGON』収録。
例によって、アルバムは通勤時耳で聴いていて、
いいなと思っていた曲だった。
今年9月日比谷野音コンサート前に、
改めてこのアルバムを聴いたとき、昨年以上にグッと来て、
以後私のiPodでヘビー・ローテーション中だ。
目で歌詞も追ってみた。雨の歌じゃないか。


梅雨とか秋雨のように、前線が停滞して降る雨じゃなく、
前線が通過するときに降る雨が似合う。
雨量もそれほどじゃなく、シトシトとザーザーの中間くらいがいい。


あとは、太陽が南半球に位置する季節が似合うと思う。
ひと雨ごとに冬になっていくとき。
「流される枯れ葉のシルエット」と歌詞にも描かれている。


♪出かけよう どこかへ〜
からのメロディーの流れやサウンドの広がりが、ホントすばらしい。
クレジットをみると、
ホーン・アレンジが森俊之さんだったり、
トロンボーンを吹いているのが村田陽一さんだったりする。
ナルホド。楽曲から、
大貫妙子さんの静謐さを感じたり、
吉田美奈子さんのブルージーさを感じるのは、
この方たちが参加しているからか。というのは、今思い付いた
ただの思い込みだ。


「憂歌」と書いて「ブルース」と歌う歌詞もあった。
これが「ブルーズ」だったら、もっとヨカッタ。


10月や11月の雨が降った午後。
メンドくらい。授業、サボっちゃえ。
でも、このまま、家にいるのもなぁ。
よし出かけよう。どこに行くわけじゃないけど。
一応傘差して、雨が滲みてもいい靴を履いて。


学生のころ、こんなふうに、あてもなく彷徨った日々があった。
何を探していたのだろう? 何を求めていたのだろう?


今日の雨、
同じような格好で、同じような気持ちで、同じような風景を歩いた。
何にも変わらず、時間だけが経過している。
これからも…?


イヤ、ずっと、
どこかへ出かけつづけるさ。きっと
「虹を待つよりマシなことさ」
って、この曲も歌っているじゃないか。