ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

金木犀と思い込み。

tinpan19732007-10-11

煙草を止めて、もうすぐ3年になる。
どんどん鼻が利くようになって、
ワインの微妙な香りの違いが
わかるようになった(と自分では思っている)。


今くらいの時期だと、
金木犀の香りが凄い。
家から駅まで、こんなに凄かったっけ?
と思うくらい漂っている。


ゼンゼン悪いことじゃない。
10月は、僕の町そのものがアロマテラピーをしているんだ。
金木犀の甘くて、どこか向上心をくすぐる香りを漂わせて。


何とかしなくちゃいけないな。
(何を?)(いろんな事を!)
などと思いながら、キリンジ「来たるべき旅立ちを前に」を聴きながら、
駅へ向かう。昨年から“My金木犀ミュージック”に仲間入りした曲だ。
金木犀の香り漂う、晴れた秋の朝、駅への道すがらに聴くといい。


キリンジを聴き出して2年。通勤途中にヘッドホンで
聴くのがほとんど。歌詞も耳から聞くだけで、目で追ったことが
あまりない。今夜、この文を書くために、
歌詞カードを引っ張り出して詞を追ってみた。
(文字が小さい。虫めがねを使ってやっと読めた)。


ガ〜ン、大きな考え違いをしていた。
「素敵な友達 秋が僕を待つのさ」
という歌詞だと思っていたのに、
「素敵な友達 パーティが僕を待つのさ」
じゃないか。


ひとしきり、歌詞を読むと、どうやら
友人の結婚パーティに行く歌のようだ。
「秋が僕を待つから旅に出よう」→「来たるべき旅立ちを前に」
という構造だと思っていたのに、
「結婚」「僕らの明日」→「人生の旅立ち」
という意味のようだ。どうやら。


とはいえ、
「僕のうわ言は届いてるのかい?」
「決めゼリフが飛び交う」
冷めたピザを頬張り」
等、キリンジの毒は健在。ありきたりのポジティブな人生の応援歌に
なっていなくてヨカッタ。


それにしても、この楽曲の持つ空気感。
これがゼッタイ秋なんだよなぁ。
湿度がなく晴れている。暑くもなく気温は20〜25℃。
金木犀の匂いが立ち込めている。
乾いているので低く漂うのでなく、辺り全体を覆っている。
さわやか。快適。キモチイイ。
そろそろ考えようよ。ちゃんと。これからの事。
クリスマスもお正月もあることだし…。


そういう歌だと思っていた。
ヨ〜シ、これからどんどん歌詞を読もう。
会社に置いたままにしてあるメガネを家に持って帰って。