ティン・パン・アレーのSIDEWAYS

季節が流れていく。音楽が聴こえてくる。

カバー&コラボの、クリエイティビティ&オリジナリティ。

tinpan19732007-08-29

細野晴臣トリビュート・アルバムで、
高橋幸宏「スポーツマン」と甲乙つけがたいほど
個人的に好きだったのが、ヤノカミ「恋は桃色」だった。


その曲プラス「終わりの季節」という細野作品カバー、
大好きな「David」「おおきいあい」というセルフ・カバー、
さらにはデルフォニックス「La La Means I Love You」のカバー
という選曲に興味を覚え、アルバム『yanokami』を購入した。


フシギなここちよさを感じる。
レイ・ハラカミさんのシンセに矢野顕子さんのピアノが絡むという
シンプルな構成だと思うだが…。
「恋は桃色」の間奏のインスト部分など、
シンセとピアノだけでこんな味が出せるんだとゾクゾクした。
“00年代のJAZZ”のひとつの在り方なんじゃないか。ひょっとして。


矢野さんの、青山ロブロイ時代を彷彿させる奔放なピアノ・プレイ。
コラボレーションに歓びを見い出す
この人のプレイヤーとしての歴史は、異種格闘技の歴史。
心底マインドはJAZZの人なんだと思う。


レイ・ハラカミさんには一段と興味を覚えた。
経歴や作品をもっと知りたいと思った。
森俊之さん、富田恵一さん…。
00年代になって、気鋭のキーボーディストでありアレンジャーである方を
知ってきたけれど、ハラカミさんは御三方のなかで最も“奇才”を感じる。


矢野誠坂本龍一…。
時代ごとに最も先鋭的で尖ったキーボーディストと
コラボレーションを繰り広げて来た矢野顕子さん。
これからもクリエイティブな作品をつくりつづけてほしい。


それから、次は、ヤノカミで、
「また会おね」「Home Sweet Home」のセルフ・カバーを、ぜひ。


あと、「La La Means I Love You」、よかった。
弾き語りアルバム一枚目『Super Folk Song』のラスカルズのカバーも、
よかった。こういった山下達郎っぽい選曲もたまらない。
そういえば、このアルバムで達郎作品「スプリンクラー」も
カバーしていたっけ。


達郎さんとのコラボも久々に聴いてみたい。
70年代はライヴ・ハウスで共演したり、雑誌で対談したりしていたお二方。
1984年のアルバム『オーエス オーエス』の
「GREENFIELDS」が最後かな。二人の共演は…。


カバーで、コラボで、クリエイティビティを、オリジナリティを
つくりだす人、矢野顕子。これからも矢野顕子でありつづけてください。